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文化

ソウルの都心でも気持ちよく夏を送ることができる公演「南山風流」

2012-07-24



ソウルの中心部、忠武路(チュンムロ)にある南山(ナムサン)韓屋(ハノク)村。古風な伝統屋敷が集まっている韓屋村では、ことし4月から毎週月曜日と火曜日の午後8時、韓屋村の風情をいっそう引き立てる小さな音楽会が開かれています。

音楽会のタイトルは「南山(ナムサン)風流」。韓国の伝統音楽が夏の暑さに疲れた心をやさしく癒してくれる小さな演奏会です。「南山風流」は南山韓屋村の中、南山国楽堂の前にある30平方メートルほどの広さの韓屋造りの部屋で開かれます。舞台と客席が分けられている一般の公演とは違って、音響システムをいっさい使わずに楽器そのものが出す音と風流を楽しむことができます。

上品な趣きとみやびやかな遊びという意味の風流。韓国では古くから風流を最高の娯楽と見なし、楽しんできました。杯を交わしながら、歌と舞い、詩を通じて心を分かち合った韓国の風流、その伝統が今、南山国楽堂の「南山風流」で再現されているのです。

スピーディで華やかなビートの音楽に慣れている人たちみの昔の人たちが楽しんでいた風流はちゃんと伝わっているようで、「南山風流」のチケットは毎回売り切れを記録しています。

「南山風流」の観客は20人に制限されています。演奏会が開かれる部屋に入ると、絹の座布団が敷いてあり、小さなお膳にお茶と茶菓子が出されます。観客と演奏者の距離は1メートルもないため、演奏者の息遣いはもちろん、木で作られている伝統楽器の響き、絹糸で作られた弦を弾く音までそのまま聞こえます。この狭い空間が「南山風流」の一番の魅力だといえるでしょう。2番目の魅力は観客一人一人に出されるお茶と茶菓子です。風流は目と耳だけで感じるものではなく、五感を楽しませてこそ、本当の風流といえるからです。昔の韓国人が客をもてなしたようにお茶を出して観客をもてなし、客を迎える韓国人の心を伝えているのです。

午後8時、「南山風流」のスタートです。公演はまず茶道、お茶を飲むことから始まります。お茶を飲んで落ち着いた気分になると、本格的な公演が始まります。この日のテーマは琴の一種、伽倻琴(カヤグム)の演奏に合わせて歌う「伽倻琴並唱(カヤグム・ピョンチャン)」でした。「南山風流」の演奏者は人間文化財や大きな国楽団で活動している人たちで、演奏のクオリティや満足度も充実しています。

ソウルの都心で韓国の伝統文化を楽しみながら疲れた心をいやすことができる「南山風流」公演こそ、最高の風流だと思いませんか。

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