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文化

規模は小さくても魅力的な演奏会、ハウスコンサート

2012-08-21



毎日、全国各地で数えきれないくらいのコンサートが開かれています。そんな中、最近注目を集めている特別なコンサートがあります。ステージと客席が分けられていない、小さな空間で開かれる「ハウスコンサート」です。

演奏する人と演奏を聞く人の距離はわずか2、3メートル。格式張ってはいないけれど、品格を備えたコンサート、それがハウスコンサートの魅力です。

2002年、韓日ワールドカップが開かれた年にスタートしたハウスコンサート。当時、公演やコンサートの規模は大きくなるばかりで、野球場やワールドカップ競技場での公演もたびたび開かれていました。ピアニストのパク・チャンスさんは、本当の音楽、本当の楽器の音や歌手の声がそんなに広い空間で観客に届くはずがないと思ったそうです。小さな空間でこそ生きた音が観客にも伝わると思った彼は家での公演を行いました。これがハウスコンサートの始まりでした。

2002年7月、パク・チャンスさんさんは2階建ての家を改築して、月に2回、小さな音楽会を開きました。題して「家で開くコンサート」、文字通り、ハウスコンサートでした。ステージで演奏する音楽を一方的に聞かされるのではなく、一つの空間で音楽を共有するハウスコンサートは音楽好きの観客を魅了し、新しいジャンルとして韓国の音楽界に根を下ろすことができたのです。



8月17日現在、ハウスコンサートは318回の演奏会が行われ、1300人あまりのミュージシャンがこれに参加しました。まったくの新人がハウスコンサートを通じてスターになったケースもたびたびです。有名な人を招待するのではなく、有名になる可能性のある演奏者、埋もれている宝石を見つけること、それがハウスコンサートの役割だというのです。

コンサートで披露されるのはクラシックコンサートが中心となっていますが、今はK-POP、実験音楽、人形劇、インディーズ映画の上映などいろんなジャンルの公演を披露しています。公演ジャンルの広がりはファン層の広がりにもつながりました。

ハウスコンサートはフリーな演奏スタイルで人気を集めていますが、別途の客席が設置されていないため、観客も床に座ってフリーな姿勢で音楽を楽しみます。こうすることで、床や壁、天井に響く音まで聞くことができるというのです。



今年、10年目を迎えたハウスコンサートは7月9日から15日までの1週間、特別な公演を開きました。全国21の都市にある23の公演場で、100回の特別公演を開いたのです。タイトルは「ハウスコンサート、韓国公演場襲撃事件、2012フリー・ミュージックフェスティバル」。あまり活用されていない地方の小さな公演場と、もっと多くの舞台に立ちたいと願うミュージシャンたちをフルに活用したイベントで、そのタイトルどおり、楽しい「公演場襲撃事件」になりました。

7日間の10周年記念公演が終わった7月25日、ソウルでのハウスコンサートが再開されました。すでに新しい10年を準備しているハウスコンサート。来年からは地方でのコンサートを増やすなど、より多くの公演を企画しています。小さな空間で観客と演奏者が一つになれるハウスコンサートは全国のファンを魅了する新しいトレンドとなるに違いありません。

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