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文化

韓国のレジャーのトレンドとなっているキャンピング

2012-08-28



ここ2、3年、韓国ではキャンピングを楽しむ人が急増していて、現在、その数はなんと100万人以上になるとされています。キャンピング専門サイトで予約をしようとしても、年内の予約が難しいくらいの人気ぶりです。

キャンピングブームの背景には学校や会社で本格的に週5日制が施行され、時間的なゆとりができたこともありますが、決められたコースを回りながら何かを学ぼうとする旅よりは自然に抱かれて心と体をいやす、本当の休息、ヒーリングの旅をしたいと願う人が増えているからだと言えるでしょう。また、最近は子どもたちも学校や塾で忙しく、以前にくらべてどうしても家族の触れ合いが少なくなりがちですが、キャンプに行くと、みんなで力を合わせてテントを張ったり、食事を作ったりしながら久々の家族団らんを楽しむこともできます。

キャンピングは2度の世界大戦を経て発達したといえます。戦争中は長時間にわたって遠くまで移動しなければならないため、外で寝泊まりしながら食事をするしかなかったのです。その後、欧米の国々を中心に根を下ろしたキャンピング文化が韓国に伝えられたのは1915年。アメリカ人宣教師で、韓国を代表する名門校、延世(ヨンセ)大学の前身、ヨンヒ専門学校を創立したアンダーウッド博士が車にテントとキャンピング用品をのせて、家族と海水浴場に出かけたのが韓国のオートキャンピングの始まりだったとされています。



1960年代に入って全国各地を結ぶ高速道路が開通し、1980年代、マイカー時代に突入してから韓国のキャンピング文化も徐々に広がりを見せ始めます。そして、1986年、東海岸沿いにある江原道(カンウォンド)の注文津(チュムンジン)に韓国最初のオートキャンプ場がオープンしました。

当時はまだキャンプ場の設備も、市販されていたキャンプ用品も充分ではありませんでした。しかし、今は傘のようにワンタッチで設置でき、風通しがよく、防水機能まであるテントがあって便利になりました。またトイレや給水施設、シャワー場などが完備されたキャンプ場も続々と登場しています。キャンピング人口が多くなるにつれて、韓国のキャンピング市場の規模も急成長しています。2010年、2千億ウォン台だったキャンピング市場が2年後の2012年には4千億ウォン台と、2倍の伸びを見せているのです。



全国の地方自治体もキャンピングブームに注目していて、キャンプ場を作り、キャンピング族の誘致に乗り出しています。また全国のリゾートは、キャンプはしたいけれど体を動かすのはイヤだという人や身軽にキャンプを楽しみたいという人にフォーカスをあてました。こんな人たちのために生まれたのがグランピングです。グランピングとは「魅惑的な」という意味の「グラマラス」と「キャンピング」を合わせて作られた造語です。つまり、テントやテーブルなどのキャンピング用品とバーベキューが楽しめるグリルや炭などキャンプに必要なものをすべて取りそろえ、何も持って行かなくても本格的なキャンピングを楽しむことができるというわけです。

目まぐるしい毎日を送っている今の人たちにとって家族や仲間といっしょに体を動かしながら触れ合い、自然そのものを楽しむキャンピングは、心をいやすヒーリングであり、21世紀のレジャーのトレンドなのです。

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