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ライフスタイル

第58話 5万ウォン札、その後

2009-07-13

玄海灘に立つ虹

第58話 5万ウォン札、その後
先月23日に5万ウォン札が発行されました。
1973年に1万ウォン札が出て以来の高額券の5万ウォン札の発行は大きな話題になりましたが、それにしてはあまり使われていないようです。
大手スーパーやデパートなどでは4万9千ウォンとか5万ウォンぴったりの商品を用意し、ファミリーレストランなどでも5万ウォンのセットメニューを販売するなど、5万ウォン札の発行をマーケティングに積極的に活用しようとしていますが、普通の消費者としては、5万ウォン札はなんとも使いにくいです。
市場に買い物に行って出すわけにもいかず、タクシー料金を払うのもためらわれます。ソウルのタクシーの基本料金は2400ウォンなので、5万ウォン札を出されても運転手さんは困るでしょう。もともと10万ウォンの小切手に取って代わるものとして発行されたので、日常生活では使いにくいのが当然かもしれません。ですが5万ウォン札は確かに便利ではあります。小切手は使うたびに裏に住民登録番号や連絡先を書かされますが、それがありませんし、銀行としても、小切手を電算登録する作業が仕事のかなりの部分を占めているので、5万ウォン札の発行はこういう手間を省くことができる利点があります。
それに韓国で小切手を発行するのに費やされる費用は年間およそ3000億ウォンにもなり、5万ウォン札が使われるようになるとこうしたコストも減らすことができます。ただ、いまのところは10万ウォンの小切手の代りに5万ウォン札を使う需要はそんなに増えていないということです。これは受け取る側が、現金よりは、なくしても追跡できるという点から小切手のほうを好んでいることも一因になっているようです。あと、買うほうも、クレジットカードがだいぶ使われるようになっているので、高額の買い物をしても現金よりカードで会計を済ませることが多くなっています。それにもう偽札騒ぎが起きたので、5万ウォン札を出されると、お店の人が非常に警戒するようになっていることもあり、記念に持っている人は多くても、実際に使う人はそう多くないという見方もあります。
なら5万ウォン札はいったいどこで使われているかというと、競馬場やカジノでは多く見られるといいます。こういう場所では大金が使われますがクレジットカードの使用が禁じられているので、高額券は歓迎されているのだそうです。また、新札発行の際によく指摘される贈収賄に悪用されるのではないかという点は実際に懸念されるところです。アタッシュケースに1億1千万ウォンくらいの1万ウォン札が入るそうですが、5万ウォン札だとその5倍が入ることになりますからね。いずれにしろ普通のアジュンマの私たちにとっては縁のない話で、5万ウォン札を使う日は来るのか、という感じですが、銀行の現金自動預け払い機が5万ウォン札対応のものにどんどん替わっているので、これからは多く使われるようになるだろうと韓国銀行では見ているということです。

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