韓国観光公社によりますと、韓国を訪問する外国人観光客は去年現在およそ1100万人。2015年には1380万人余りに増えるだろうと予想されています。海外からの観光客が増えるにつれ、比較的安く泊まれるゲストハウスの需要も増えてきました。
ゲストハウスとは民宿と同じようなものです。ひと部屋に2段ベッドがいくつも置いてあり、トイレと浴室は共同で、一泊の宿泊費が一人当り2万ウォンから5万ウォンくらいで、ホテルより安くなります。
ゲストハウスに泊まる観光客が多いのは、韓流ブームでアジアをはじめとする若者たちが韓国を訪れる場合が増えているため、高価なホテルよりゲストハウスの利用が増えているのが一因でしょう。そのため、若者をターゲットにしたホンイク大学前や交通の便利なチョンロなどのゲストハウスの利用が増えており、サービスも多様になっているということです。
最近のゲストハウスの特徴は、宿泊者同士でコミュニケーションをすることができるようにする場を設けていることです。たとえば、庭や屋上でバーベキューパーティをしたり、ゲストハウス内にカフェなどお茶を飲むことができるスペースを設けて宿泊者が無料で利用できるようにしています。
こうしたところは海外にある韓国人向けのゲストハウスでは活発に行われているところが多いです。海外のゲストハウスでのプログラムや雰囲気を韓国国内でも外国人対象に応用したり、そのまま持ってきている点が興味深いところです。
またソウルの北村(ブッチョン)などに多い伝統家屋・韓屋のゲストハウスでも茶道やお習字をはじめキムチ漬けや韓服の着付けなど多様な伝統文化を体験できるプログラムを持っているところも多くなっています。
ゲストハウスは以前は韓屋村を中心に一部の地域に密集する傾向にありましたが、いまでは釜山、慶州(キョンジュ)、大邱(テグ)、麗水(ヨス)、済州道など全国に広がっています。ソウル市に登録されているゲストハウスの数は今年上半期で230あまりで、登録していないところを合わせると400あまりあるだろうと推定されます。
ゲストハウスの増加は政府の政策によるところも少なくありません。政府は去年1月から「外国人観光都市民宿業指定制度」を施行し、一般の住宅のゲストハウスへの切り換えを誘導しました。この制度は、230平方メートル未満の一戸建て住宅やアパートなどの居住者は、区役所に届け出れば、空き部屋をゲストハウスとして活用できるようにするというものです。
ゲストハウスはこれからも増えていく見通しです。特に済州道には観光地周辺や郊外などを中心にたくさんのゲストハウスがありますが、これから済州への観光客が増加することが期待されるため、ゲストハウスはますます増えていくだろうということです。