先月30日、放送法改正案が国会で可決しました。
改正案の内容は簡単に言うとこうなります。「‘放送事業者以外の者の要請によって、番組の制作と関係のない理由で、番組に出演しようとする人を出演させないようにする行為’を放送法上禁止とすること」が認められたのです。要するに、大手芸能事務所などが特定の芸能人のテレビ出演を妨害するのを防ぐという内容です。放送局がこれに違反した場合、放送通信委員会は放送法にのっとって、是正命令を出したり、売上額の2%の範囲内で課徴金を賦課することができるようになりました。
この放送法改正案が国会で発議されたのは、男性3人組の人気グループJYJが、かつての所属事務所との対立でテレビ出演ができなくなったとして問題になっていたことが背景にあります。実際この放送法改正案を発議した野党議員は、JYJの事例を発議の際に挙げていることから、この放送法改正案は「JYJ法」と呼ばれています。もちろんJYJの事例にもこの改正された放送法は適用されます。
JYJは2009年、当時所属していたSMエンターテインメントを相手取って専属契約の無効を求める訴えを起こし、グループ「東方神起」から脱退した金在中(キム・ジェジュン)、朴裕天(パク・ユチョン)、金俊秀(キム・ジュンス)の3人が2010年に新たに結成したグループです。しかしJYJは韓国の音楽番組やバラエティ番組にほとんど出演できず、それは大手芸能事務所であるSMとの対立が原因だとされていました。
今回の可決で、JYJの所属事務所であるC-JES・エンターテインメントは「7年にわたる闘いに大衆的な共感が得られたことに感謝する。この法案を機に、今後は芸能界で不当な出来事が起こらないことを望む」とコメントしました。
しかし業界では、放送局の出演者の選定はあくまで演出者の権限であるため、法的な制裁が適用されにくいのではないかという見方もあります。ある芸能事務所の関係者は、「この法案によってJYJが直ちに音楽番組に出演できるだろうという楽観はできない」としながらも、「芸能人の権利を保護するために作られた法であるだけに、演出サイドでも、問題が起きないよう法的な枠組みの中で公正性を維持するための努力はするだろう」と話しています。