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文化

「五峰山タリョン」ほか

#国楽の世界へ l 2016-12-28

国楽の世界へ

「五峰山タリョン」ほか
韓国の宮廷には、王様が座る椅子の後ろに、屏風がよくあります。青い空を背景に、緑の山の峰が五つ並んでいます。峰の隙間には、白い月と赤い太陽が一緒に浮いています。この絵を、太陽と月と五つの峰という意味の「日月五峰図(イルウォロボンド)と言います。昔の宮中の姿を記録した絵を見ると、王様の席にこの絵を描いています。日月五峰図は、それ自体が王様を象徴する絵だったのです。五つの峰は、金剛山(クムガンサン)、白頭山(ペクドゥサン)、智異山(チリサン)、妙香山(ミョヒャンサン)、三角山(サムガクサン)など、五つの山を指します。昔から山神に祭祀を捧げた五つの山を意味するものだそうです。つまり、韓国の国土を象徴的に表したものであるといえます。今日の最初の曲は、五つの峰の山という意味の、「五峰山(オボンサン)タリョン」という曲です。五峰山での楽しい一日を歌ったものです。この曲を、カヤグムの演奏でお楽しみください。

昔の人々にとって山は、ただ地形的な意味だけではありませんでした。山の中に神が住んでいるとされ、山はとても神聖な場所だったのです。韓国に伝わる、檀君(タングン)の神話は、太白山(テペクサン)という山を背景にしています。神話の中の桓雄(ファンウン)は、天から太白山の神壇樹(シンダンス)という木の下に降りてきます。ここが神市(シンシ)と呼ばれる場所です。その息子が、神話の中の檀君です。檀君は、韓国の民族の始まりであり、最初の山神です。山神は山を守るだけでなく、国を守る役割もしました。後日、仏教が入ってくると、歴史のある山には仏と菩薩が住んでいると信じました。金剛山をはじめ、山や峰の名称は、仏教から由来したものが多くあります。ある記録によると、地形が美しい金剛山は、どんな人でも一度は見てみたいと思うほどの山だったそうです。でも、直接見られないことを嘆き、山の絵を描いて鑑賞する人までいたとのことです。次は、金剛山の美しさを歌う、「金剛山タリョン」という曲をお楽しみください。

あと数日で2017年の新年を迎えます。この頃になると、初日の出に出かける方も多いかと思います。韓国でも、雪嶽山(ソルアクサン)など有名な場所は、初日の出のために多くの人々が集まります。早朝から並んで山に登らなければならないほどです。海でも太陽が昇るのは見られますが、山に出かける人の方が多いようです。登山をするためでもありますが、新年を迎え、山の良い気運をもらうためでもあるのでしょう。今日は山に関する曲をご紹介しておりますが、最後の曲は、雪景色が美しい山、「德裕山(ドクユサン)で」という曲です。韓国は、様々な出来事で国中が慌ただしい様子です。でも、2016年もあと数日で終わりなので、気持ちを切り替えなければと思います。みなさんも、より健康で明るい2017年をお迎えください。

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