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旅行

済州を舞台にしたドラマ<おつかれさま>

#済州リポート l 2025-04-22

玄海灘に立つ虹

済州を舞台にしたドラマ<おつかれさま>
済州にお住まいの福富理恵さんが済州のリアルな情報をご紹介します。 

■話題のNetflixドラマ<おつかれさま>
-今日は済州が舞台となった大人気ドラマ<おつかれさま>についてですが、「済州島民が見たドラマ<おつかれさま>」というコンセプトで話してみたいと思います。

■方言
 ドラマ<おつかれさま>は、今年3月7日から28日まで配信されていたNetflixオリジナル作品で、済州を主な舞台とした心温まる家族の物語。このドラマは済州の方言が出てくることでも話題になりました。
<おつかれさま>というタイトルも済州の方言で「폭싹 속았수다」。標準語では「정말 수고하셨습니다(本当におつかれさまでした)」という意味です。

私は実際にはあまりこの挨拶は聞いたことがないけど、旦那に聞いたら、ちょっと年が上の人たちはけっこう使っているとのこと。
ネットにはドラマに出てきた済州方言を解説するブログなどがたくさんあるが、旦那曰くそこまでディープな(?)方言は使われていないそうです。おそらく本当にコアな方言を使うと、役者さんも大変だし、視聴者も理解できないからかも?

■時代背景
 物語は1960年代の済州島から始まるが、IUさん演じる主人公「エスン」とパク・ボゴムさん演じる「グァンシク」が生まれ育ったのが済州島。エスンのお母さんは海女さんで、グァンシクも船に乗って漁をするという、いかにも済州らしい設定になっています。

このドラマはストーリーが展開するたびに、1960何年、1970何年という感じで画面の右下に年代が表示されます。
年代的には、主人公のエスンがうちの旦那のお母さんぐらい。ちなみに旦那は40代半ばで、一緒に見ながら「ウリオンマが若い頃ちょうどこんな感じだった」とか言っていました。

■済州らしさを感じたシーン
-ドラマを見ていて、私が個人的に済州らしさを感じたシーンを2つご紹介。

1つ目は、主人公エスンの母親が海女さんで、若くして肺を悪くして死んでしまうのだが、このお母さんが死ぬ前に、巫女さんが来てお祓いをするシーン。
この巫女さんのことを済州では「심방(シンバン)」と言うが、今でも何か大きなことがあると、お祓いなどの儀式をしてくれます。うちは旦那のお母さんが海女さんだったこともあり、結婚してから十数年になるが、今まで3回ほど実際に「シンバン」見たことがある(行事や祭りとかではなく、身内関係で)。一番最近だと家を建て直して引っ越しをした時に「シンバン」を家に呼んで、無病息災のお祈りをしてもらいました。
エスンも「シンバン」のおばあさんに小豆投げられるシーンがしょっちゅう出てくるが、実際に塩とか小豆とかを大量に投げます。
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もう一つは、エスンが結婚した後のシーンで、「トルハルバン」と呼ばれる大きな石の像の鼻をバシッと叩いて、義理のお母さんたちに怒られるという場面。
この「トルハルバン」というのは済州の守り神で、島のシンボルともいえる存在だが、実は昔から「トルハルバン」の鼻を触ると男の子を授かると言われています。
この場面は、エスンがなかなか息子を授からないので、義理のお母さんたちに連れられて、お寺に拝みに行った帰りでした。お寺では何百回も立ったり座ったりしながら拝むので、エスンとしてはすごく疲れて不満だったところに、息子を授けるシンボルである「トルハルバン」がいたので、無性に腹立たしくて思えて鼻をピシャッと叩いたという場面でした。
その後「何て罰当たりなことを!」みたいな感じで怒られて、お義母さんがトルハルバンに向かって必死に謝るが、これも「トルハルバンの鼻を触る」ことの意味を知っていると、より面白いのかなと思いました。

この「トルハルバン」は、空港や観光地はもちろん、街中でもけっこう見かける。マスコットやキャラクターにもなっているので、ぜひお土産にどうぞ。

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