KBSの社食のメニューの中から、おいしそうな一皿、珍しい一皿をピックアップ、アジュンマたちの目線でわかりやすくご紹介する時間です。
5月は韓国では父母の日などがあるため、家庭の月、家庭月間と呼ばれています。
朝晩はまだ風も冷たいので、家族で食べられる温かいスープ料理をご紹介します。
今日のサラメシのメインはタッコムタンです。
タッコムタンとは 鶏肉を骨ごと煮込んだスープです。韓国語でタッ(닭)は鶏肉で、タッをコム(곰;じっくり煮込み出汁を取る)してつくったタン(탕)、スープになります。
コムタンというと牛肉でつくったもののことをいいますが、鶏を煮込んでつくるのがタッコムタンです。
サムゲタンとかタッカンマリも鶏肉を煮込んで作るスープ料理なのですが、サムゲタンと違うところは、もち米や韓方薬剤が入っていないこと、それに骨でだしを取ったスープがメインだという点です。
またタッカンマリは以前この時間でもご紹介しましたが、鶏のほかに、韓国のおもちのトッ(トッポッキのトッ)やじゃがいも、ねぎなどの具材が入っていて、醤油や粉唐辛子、ニンニク、お酢などが入ったタレにつけていただくのが特徴です。
一方、タッコムタンは、具材は鶏肉とネギのみ、という至ってシンプルなスープ料理になります。韓国では丸鶏を食べやすくカッティングしたものが売っているのでそれを使えば家庭でもつくれますが、日本ではどうでしょうか。
タッコムタンの由来は不明ですが、牛肉が多くなかったときに、比較的たやすく手に入れることができた鶏でつくられたのではないかと推測されています。スープがメインなので、サムゲタンのように小さな鶏(ブロイラー、若鶏)を使うことはなく、大きくて身のしまった鶏を使ってじっくり煮込みます。
煮込んでから、鶏肉は食べやすいよう手で割いてトッピングとして刻んだねぎといっしょにのせます。茹でたそうめんや春雨が入っていることもあります。
サラメシでは茹でたそうめんが入っていました。
メインを囲むサブメニューとしては、温めた(蒸した)豆腐と炒めた白菜キムチ、軽く茹でたこんぶ+お酢入りの甘辛コチュジャン(チョコチュジャン)、レンコンの黒ごまあえ、カクテキ、そして刻んだねぎがトッピングされたトッカルビ炒めです。トッカルビはトッ(韓国のお餅)のような形のカルビという意味です。味付けした牛肉を荒く刻んでハンバーグのように成形して焼いたもの、あるいは骨付きカルビの肉を刻み味付けし骨にくっつけて焼いたものになります。
ちなみにサラメシではハンバーグよりはるかに小さな、(おそらく)冷凍のものが使われています。