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ライフスタイル

いじめについて

2012-01-10

玄海灘に立つ虹

いじめについて
最近、韓国で大きな社会問題となり連日マスコミで取り上げられているのが「いじめ」の問題です。
リスナーの皆さんは、「いじめ」何をいまさらと思われるかもしれませんが、思っていた以上の深刻な現状に社会全体が驚いていると言えます。
というのは「いじめ」にあった子が自殺する事件が相次いでいるからです。

そこできょうは「いじめ」についてお話するのですが、その参考資料としてソウル大学病院小児青少年精神科医のキム・ブンニョン教授の朝鮮日報とのインタービュー記事をご紹介していきたいと思います。

まず金教授、記者の「みんないじめがこんなに深刻だとは思っていなかった。いじめというのは集団文化の強い日本が深刻なのではないか」という質問にこんなふうに答えています。

いじめという言葉が日本語なので、そういう誤解を受けていますが、決してそんなことはありません。
実は韓国の方が深刻です。韓国、日本、中国の3カ国の中学生1千人を対象にいじめと関連した学校内の暴力について調査したところ、韓国は半分近くの49%が中学校で暴行を受けた経験があると答えていました。
これは中国の38%、日本の28%に比べてはるかに多いと言えます。
また暴力や言葉などで脅かされ金をとられた経験のある中学生も韓国40%、中国17%、日本6%でした。


日本よりもむしろ韓国の方がいじめは深刻だという金教授の話、衝撃的です。
ではなぜ韓国でいじめが多いのか、金教授はこんなふうに説明しています。

韓国の学校生活は個人の個性を重視するよりは画一性と力による上下の関係に重きをおいています。
大学入試のために受験教育が中学から始まることもその原因です。成績で順位をつける文化が子供たちをしめつけています。
青少年期にはスポーツや芸術活動を通じて攻撃性を抑え、他人との共同、協力精神を集中的に身に着けなくてはなりませんが、韓国の大人は勉強が全部だというのです。


日本と違い学校ではクラブ活動もあまり活発ではありません。
音楽や美術などのお稽古ごとも、中学生になると趣味で続けるという生徒はほとんどいません。中学以後は大学受験のための音楽、美術となってしまいます。
それはスポーツも同じこと。スポーツで良い高校、良い大学に進学しようという受験の手段になってしまいます。
そこで大部分の普通の子供たちは青少年期のいろいろなストレスを発散させる場をもちません。

また社会全体、特に親に問題があります。
いじめは日本の話と信じている親が多いのも事実です。
また加害者側の生徒の親の10人のうち9人は自分の子供が加害者だという事実を認めないと言います。皆、被害者の生徒に問題があったのだと解釈するというのです。

韓国人はあやまるのが下手な国民です。
道を歩いていて肩がぶつかっても「すみません」の一言がでません。
町で車同士が衝突しても謝る人はいません。
声の大きな方が勝つといわれるのが韓国の社会です。
子供たちの社会もそれがそのまま反映しているのです。声の小さな子供たちはいじめられてしまうのです。

そして韓国の大人たち、特に男性は軍隊の経験からしごきとも呼ばれる暴力に対して抵抗感を持ちません。そういうものだという認識が未だにあります。そういう親、そういう社会を見て、子供たちは真似をしているのです。

最後にキム教授はこんな恐ろしいコメントをしています。

脳科学的に今の青少年の脳は30年後の韓国社会の未来です。
青少年にスポーツや芸術、品性・共感の教育を拡大しなければ、今後は韓国は攻撃性の乱舞する社会となるでしょう


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