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ライフスタイル

ケエ(契)の悲劇

2013-06-26

玄海灘に立つ虹

ケエ(契)の悲劇
韓国では現在もケエ(契)、日本で言う頼母子講の制度があります。親しい人同士でお金を出し合い、順番にそのお金をもらっていくという制度です。

小規模なものでは、例えば身近な例ではアリスさんは大学生の頃のお友達とこのケエを行い、集まったお金は誰かがもらうのではなく、全部一緒に銀行に積み立て
満期になった時点で引き出し、皆で海外旅行に行ったということです。

こういうお友達同士、仲良し同士の小規模なものなら良いのですが、先月、東大門市場の商人たちが作っていたケエで大きな詐欺事件が起きました。契主と呼ばれるケエの主催者が、会員全員のお金を持って夜逃げをしてしまったのです。
被害にあった被害者数が150人、被害額が100億ウォンを越えると言われると、
えっ!と驚くとともに実に韓国らしいなあと思ってしまいます。
まず被害者の声を聞いてみると

被害者1.子供の学資金の借金を返すために、市場の知り合いの紹介で入りました。ケエのお金を受け取る順番を早くしてもらうために、無理して家族のお金まで合わせて3ヶ月で1800万ウォンも入れて、6月にお金を受け取る
順番だったのに。。。
被害者2.銀行よりも高い利子をくれるというので入りましたが、心配で途中で
     やめようと思ったら契主から大丈夫だ、心配するなと言われて安心して
     いたのに。。。


契主の女性が姿を隠した翌日、彼女の店と自動車は名義が変わり、住所も変わっていたといいます。計画的な犯行だったというわけです。現在、被害者たちは警察に告訴状を出した状態ですが、契主の行方は分からず、被害者たちは泣き寝入りの状態です。
少なくて数千万、多くは数億ウォンを出していたという被害者たち、ではなぜこんなに多くの被害者、被害額が出たのでしょう
銀行とは比べ物にならないほどの多くの利子がその理由です。
被害者です

被害者 2千万ウォンの契でした。早くお金が欲しいのであれば順番を早くして
    もらい、200万ほどの利子をもらい、1年以上あとでもよければ利子は
500万になりました。


急にお金が必要になった時には順番を変えてもらい、先にもらうこともできたといいます。
しかし驚いたことに大部分の被害者は契主についてよく知らなかったというのです。ただ彼女の母が市場で大きな契を運営し、その下で学び、数年前から直接運営しだしたというのが、被害者たちの知っていた契主に対する情報の全部でした。被害者です

被害者 市場というのはそういうところなんです。知り合いが、あの人が契をして
    いる。あの人は大丈夫、信頼がおける。と言えば、それでその人の家
も住所もしらないまま、お金を預けるんです。


市場という環境の特殊性、昔ながらの人情を重んじる韓国人気質、それが21世紀の今になってもこういう事件が起こる要因になっているようです。
韓国では風評というのが非常に大切です。子供の通う学習塾、近くに開店したパン屋さん、そして次の大統領候補まで、人々は新聞やインターネットの情報よりもお友達の、知り合いの、親戚の、家族の一言を何よりも重要視します。
日本人リスナーの皆さんだったら、どうします。2000万ウォンに3ヶ月で200万ウォンの利子がつくといわれたら、相手のことを良く知らなくても、隣のお店の人もやっていると言われれば、一緒にお金を預けてしまいそうですか?

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