遠いアフリカの伝染病と思われていたエボラ出血熱、それが韓国にも影響を
与え始めています。
ソウルの徳成女子大が国連女性機関と共同で開催する『第2回次世代女性グローバルパートナーシップ世界大会』の開幕式が今週の月曜日4日に開かれました。この日の開幕式には、アジア・アフリカを中心に世界13カ国から34人のパネリスト、25カ国から135人の学生が出席しました。 メーン行事は15日まで「共感的奉仕、女性エンパワーメントのための教育」をテーマに進行されます。
行事の開催と関連し大統領府のホームページ掲示板にはこんな書き込みがありました。
「大統領、どうか徳成女子大の国際行事を中止にしてください」
インターネットとSNSには行事の開催を懸念するコメントが数千件も書き込まれ一部は行事の全面中止を要求していました。結局、大学側は
「インターネットやSNS上で飛び交う虚偽事実のため、行事の趣旨が毀損されている。感染の危険はなく徹底的に準備したので安心してほしいエボラ出血熱関連の反応が非科学的であり、行き過ぎた憂慮だと判断し、行事を予定通り行うことにしたアフリカの学生はもちろん、国際社会も今回の事態に対する大韓民国と徳成女子大の措置に注目している」
と記者会見し、行事の予定通りの実施を発表しました。しかし、過去にエボラ出血熱で1人が死亡しているナイジェリアの学生3人に対する招待は取り消されました。
4日の開幕式にはケニア・エチオピア・カメルーンなどアフリカ9カ国から来た大学生28人が参加し、一方で徳成女子大の在学生96人が当初、開幕式の参観を申請していましたが、31人だけが出席しました。
また大会への出席を拒否されたナイジェリアの大学生は抗議の電話をかけてきました。
「大会に参加する予定だったが、招待撤回を通報された。自分たちはこの事実を国連人権委員会に提訴する考えだ。ナイジェリアでエボラウイルスが発病したのではなく、リベリア人の入国者がナイジェリアに到着して死亡した。にもかかわらず私たちの入国を拒否したのは過度な措置だ」
韓国外交部のエボラ出血熱に対する対応としては
外交部は先月31日、ギニア全域に特別旅行警報を発令した。外交部は、「国民はギニアを訪問せず、現在ギニアに滞在している国民は速やかに安全な国に避難してください」と勧告した。また、外交部は1日、特別旅行警報の対象にシエラレオネとリベリアを追加することを検討している。
またエボラ発生国のリベリアと国境が接するコートジボワールに向けて6-17日に医療ボランティア活動に行く予定だったグッドニュース医療奉仕会は日程を中止しました。しかし西アフリカ地域のガーナを含むアフリカの他の地域で活動する予定だった他の宣教会は行事を強行する考えです
また日本の福島第1原子力発電所の事故を受け「放射能の恐怖」から韓国ではここ数年、わざわざ遠い西アフリカ産の魚を買っていました。韓国関税庁によりますと、冷凍のニベとイシモチは年初から6月までに13カ国から5464トン輸入され、輸入量の多い上位2カ国はいずれもエボラ出血熱が発生しているギニア(3564トン)とシエラレオネ(886トン)でした。この2カ国からの輸入量は、全体の81.4%に達します。もちろん水産物から感染する心配はほとんどありません。
しかし人々は敏感に反応しています。新聞の社説でも『エボラ出血熱、徹底統制も、しかしパニックは防ぐべき』というタイトルが登場しています。伝染病への反応に行き過ぎというのは無いのかもしれません。注意に注意を重ねるべきです。しかし今回のナイジェリアからの3人の女子大生に対する招待取消という措置は、もう少し洗練された方法があったのではと残念です。