配偶者のある者が他の者と姦通する(もしくは、配偶者のある者と性的関係を持つ)ことを禁ずる法律(刑法241条)が2月26日、憲法裁判所で違憲と判断され、即時廃止されました。
姦通罪は刑法が制定された1953年にはじまり、多くの有名人もこれによって起訴されたり服役したりしていました。古くは、1962年に起訴された俳優のチェ・ムリョンさんとキム・ジミさん。チェ・ムリョンさんの元夫人が二人を告訴して、二人とも1週間留置場で過ごすことになりました。その後キム・ジミさんから元夫人に慰謝料を支払い、チェ・ムリョンさんとキム・ジミさんは69年まで婚姻関係を結びました。そして70年代に入ると、歌手のテジナさんが、建設会社の社長夫人と姦通したと同社社長から訴えられ、拘束されています。この時は、社長とその夫人の離婚が成立したため、訴えが取り下げられました。また、80年代には、当時銀幕のスターと言われたチョン・ユニさんと中央建設チョ・ギュヨン会長が、会長の元夫人から告訴されています。二人は無罪判決を下され、84年に結婚しました。この頃、有名人が絡んだ姦通事件は、新聞に大々的に掲載され、有名な出来事となりました。
2000年代に入ってからも、女優のファン・スジョンさん、ミスコリア出身のキム・イェブンさん、三星ライオンズのイム・チャンヨン投手、タレントのタク・ジェフンさんなどが姦通罪で告訴されています。また、2007年にはタレントのオク・ソリさんが調理師の男性と不倫をしたと、夫のパク・チョルさんから告訴される事件がありました。この時はオク・ソリさん側が姦通罪違憲審判を要請したため、憲法裁判所で審理されました。当時は、合憲4人、違憲5人(うち1人は「合憲違憲を審理する問題ではない」と判断)と、初めて違憲とする裁判官の数が多かったのですが、違憲であることを確定する6人には満たなかったため、合憲とされました。
このように、世間をにぎわす事件が多かったこともあり、姦通罪は常にドラマの素材としても常連のように登場していました。しかし、姦通罪自体が廃止されたことから、今後はドラマやテレビ番組において「姦通罪で告訴してやる」などといったセリフは消えてしまうでしょう。