給料は上がらないのに物価は上がる一方という韓国で、安売り店舗「リファーブショップ」が注目を集めています。
リファーブショップの「リファーブ」とは「refurbish 磨きなおす、刷新する」から来たもので、韓国の流通業界では若干古いものを新品のようにして売ることを「リファーブ」と言っています。リファーブショップは「リファーブされたものを売る場」ということですが、このところ、賞味期限が迫った食品を売る専門店や、在庫商品を扱う店など、さまざまな形態のリファーブショップが人気急上昇中です。
リファーブショップの代表格というと、オンラインで食品を販売する「トリ(安売り)モール」「イムバク(目前)モール」「イユ(わけあり)モール」の3社です。これらは賞味期限までの日数が最短2週間から最長2年までの食品を40~50%割引で販売しており、なかでもトリモールは90%オフの商品もあるということでこまめにチェックする消費者が増えています。同社は、2年前に事業をスタートした時は会員数90人の小さなオンラインショップでしたが、現在の会員数は7万3,000人。今では家計の味方というポジションを確立しつつあります。また、このような賞味期限直前商品を扱っている店舗はオフラインでも存在しており、テレビで紹介されるなどして来店客が右肩上がりに増えています。
リファーブショップと呼ばれる店で扱われているのは食品だけではありません。全国各地の「返品マート」と呼ばれる商店では、家電や日用品の在庫を集めて販売しており、30%以上の割引で新品(新古品)の商品が購入できると好評です。
このようにリファーブショップが話題となっている背景には、長引く不況があります。収入が上がるわけではないのに物価だけ上昇していくため、特に支障のない範囲で問題ありとされている商品であれば、安く購入したいという心理が強く働くようになったと分析されています。また、ブランド品なども購入する一方、安く抑えられる部分は節約するという選択型の消費層も拡大しつつあります。めざましい景気回復が期待されない現在の状況にあって、こういった商売は今後も需要を高めていくと見られています。