梨花女子大学が新学部の設立を発表し、これに反対する学生たちが反対運動を繰り広げています。
梨花女子大学は1886年に設立された女子教育塾の流れを継いだ女子大で、韓国での難易度は女子大中トップ。高いレベルの教育を受けた由緒ある家庭の子女が通う大学というイメージで、母親世代にとっては「息子の嫁にしたい女性の出身大学」としてもナンバーワンのポジションを揺るぎないものとしてきました。その梨花女子大が、新たに社会人向けの「未来ライフ大学(学部)」を設立すると発表。そうしたところ、これに反対する学生たちがデモ活動を繰り広げ、700人以上の学生が大学本館を占拠、籠城する騒動となり、警察も出動しました。
大学側が新設計画を発表した未来ライフ大学とは、大学に進学せず社会進出した人たち向けの生涯教育の場です。教育庁が昨年発表した「就職が先で卒業が後」をモットーとする生涯教育単科大学(学部)支援事業に梨花女子大が名乗りを上げた形でした。同大は先月これに選定され、新学部設立のため年内に30億ウォンの支援を受けることになりました。入学要件は「高校卒業後、3年以上の社会人経験」もしくは「30歳以上」で、メディアコンテンツを企画、制作する「ニューメディア産業」と、健康、栄養、ファッションを主とする「ウェルニス産業」に専攻が分かれ、どちらも一般的な大学より実践的な教育を目標としています。授業は夜間、週末、オンラインなど社会人向けに弾力的に組まれ、8学期を終了すると4年生大学終了の学位が与えられる計画となっています。
在学生たちが学部新設に反対する理由は主に梨花女子大のブランドイメージを守るためです。大学側は社会人向け学部新設により開かれた大学のイメージを植えつけていこうとしていますが、学生側代表は「高卒の社会人たちが不透明な過程を経て大学に入ってくると、一般学生たちとの公平性が失われる」と主張しています。つまり、学生たちにとっては、梨花女子大はあくまで「韓国女子大ナンバーワンブランド」でなければならないということです。
在校生たちの反対運動は徐々に大きくなっており、数日前には大学職員7人が学生たちにより監禁されるという事態も発生しました。一方、学校側は1,600人の警察を動員し鎮圧にあたりましたが、これについては過剰な対応との声が多く上がっています。生涯教育が評価されるべきシステムであることは広く認められるものの、学生たちの意見に同調する声も多く、今後の動きが注目されています。