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文化

韓国最初の創作ミュージカル「サルチャギ・オプソエ」

2013-03-12



済州島(チェジュド)の美しい芸者、妓生(キセン)のエランと彼女の魅力的な歌声に目を奪われたソンビ、ペ裨将(ピジャン)。ミュージカル「サルチャギ・オプソエ」はこの二人の恋物語を綴った作品です。

ソウルの南部、瑞草区(ソチョグ)にある「芸術の殿堂」で公演されている「サルチャギ・オプソエ」は韓国で作られた初めての創作ミュージカルで、1966年10月に初めて舞台にのぼった作品です。はパンソリや古典小説で知られる「ぺビジャン伝」を脚色した「サルチャギ・オプソエ」は、1966年の初演当時、たった7回の公演に1万6千の観客が入った公演で、歌と踊り、風刺と笑いが調和した愉快な作品です。



韓国の公演文化に大きな変化をもたらした作品として評価されている「サルチャギ・オプソエ」は初演以来47年間、6回にわたって脚色され、舞台にのせられました。今回の公演は、1996年、「エランとペビジャン」というタイトルで公演されて以来の舞台になります。17年ぶり、7回目のシーズンで見られる一番の変化はIT技術を導入した華麗な映像です。9台のプロジェクターを使い、舞台の前後、側面から映像を映し出すため、より鮮明で、立体感のある背景、舞台を作り出すことができます。また、華やかな衣装や今の感覚に合わせて編曲された音楽も新しいシーズンならではの楽しさといえます。

「サルチャギ・オプソエ」は「そっと来てください」という意味の済州地方の方言です。その言葉どおり、主人公のエランとペビジャンの恋はそっと始まります。裨将(ピジャン)は、地方官吏を補佐する武官を意味していて、主人公のペビジャンはペという苗字のピジャンということになります。



済州島の美しい妓生のエランは身分の高い両班(ヤンバン)の身勝手な愛に嫌気がさした状態です。そんなエランの前に、チョンビジャンの代わりに済州に派遣されたペビジャンが登場します。古典小説の中とペビジャンは漢陽に妻がいる浮気者で、済州で恥をかく人物ですが、ミュージカル「サルチャギ・オプソエ」のペビジャンはこの世を去った妻に永遠の愛を誓った純情な男として描かれます。妻との約束を守るため、酒や妓生には近づかないペビジャン。同僚たちはまじめなペビジャンが面白くなく、偶然をよそおって済州一の妓生、エランと会わせるのです。美しいエランに一目惚れしてしまったペビジャンは目を閉じても浮かんでくるエランの姿に胸がときめきます。エランへの想いに眠れないペビジャンの前に死んだ妻まで現れ、最後まで約束を守れなかった夫をうらみます。



死んだ妻が現れるシーンにはホログラム技法が使われ、神秘的な雰囲気を演出しています。「サルチャギ・オプソエ」にはホログラムの他にも3Dマッピングと呼ばれる技術も使われています。3Dマッピングはプロジェクターで造形物に映像を投影させる技術です。舞台に力強く流れ落ちる滝を再現したり、石のおじいさん像のトルハルバンに用いて、トルハルバンが目を閉じたり、舌を出したりする効果を演出しています。一方、歌やストーリーのほとんどは初演の頃のままですが、本当の愛の感動は今の観客にも伝わっているようです。

妻との約束を守りきれなかった自分を攻めながらもエランへの想いを絶ちきれないペビジャンの姿に堅く閉ざされていたエランの心も動き、二人はロマンチックな恋を叶えることができます。

先端の技術とちょっと古い恋物語が調和した「サルチャギ・オプソエ」は春の恋心を刺激するロマンチックな公演として初演の頃と同じような人気を集めています。

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