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文化

割安にしかも合理的に買う「リーズナブルな消費」を実現する中古市場

2013-04-02



ソウルの都心、光化門(クァンファムン)広場。週末になるといつもにぎわう所ですが、3月17日の日曜日はソウル市民が参加する中古市場が開かれて、大勢の人が訪れました。中古市場といっても、売りに出るものは新品同様、きれいなものばかりです。それを9割引きの価格で売っているのですから買う人にとっても嬉しいに違いありません。

景気低迷が長期化する中、韓国では中古市場が人気を集めています。ネットのオークションサイトにも靴や化粧品、衣類などさまざまな中古アイテムが売りに出されていて、人気のあるサイトは去年にくらべ、30パーセントほどの伸びを記録しています。ノミの市やオークションサイトの他にも中古市場はいろいろあります。

大学がいくつも集まるソウルの学生街、新村(シンチョン)にある中古書店のアラディン。オープンして1年ほどしか経っていませんが、利用客は増える一方です。新しい本と古本との価格の差はかなり大きく、消費者の立場からすれば、必要な本を安く買えるので、今のように景気が落ち込んでいる時期にはぴったりです。中古書店といっても、ホコリをかぶった本が山のように積まれている一昔前の古本屋さんのような雰囲気ではありません。大手書店のようなモダンなインテリアはもちろん、図書検索システムも完備されています。

景気低迷が長引くと、真っ先に切り詰めるのは外食と衣類にかける費用です。こんな時期に注目されるのが中古衣類販売ショップです。「아름다운 가게」、「美しい店」という名の中古品販売ショップ。ここは寄付された古着や中古品を販売し、その利益で経済的に苦しい人を助けています。2002年に1号店がオープンし、現在、全国に130店があります。寄付してもらうのは古着が一番多く、台所用品や日曜雑貨などもあります。寄付するものがなくても、この店で何かを買うだけでも助け合いに役立つため、ボランティアに参加するという気持ちで利用する人も多いです。1年間、寄付される品はおよそ1千万点あまり。最近は個人だけではなく、企業からも在庫商品が送られ、新しい商品を安く買うこともできます。



家電製品や家具、食器などを販売する中古製品ディスカウントショップも人気です。大手の中古製品ディスカウントショップは無料配送はもちろん、アフターサービスも可能なので
安心してショッピングを楽しむことができます。

冒頭にご紹介した光化門広場での中古市場は3月半ばから10月まで、毎週日曜日に定期的に開かれます。中古市場だけではなく、地域の特産物コーナーや文化公演などもあって、にぎやかな雰囲気を演出しています。また、外国人も参加することができます。自分の国の料理を作って売っている外国人たちもいて、中古市場に活気を吹き込んでいます。光化門の中古市場は「希望の分かち合い市場」と名づけられています。収益金の一部は自由に寄付することができるのです。もちろん、ほとんどの人が寄付に参加しています。

長期にわたる景気低迷で注目されている中古市場やリサイクルショップ。しかし、中古品を使うからといって恥ずかしがったり憂欝に思う人はいません。韓国の人たちは中古市場を通じて割安に、しかも合理的に買うという「リーズナブルな消費」に目覚め始めているのです。

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