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文化

心暖まる分かち合い、才能寄付

2012-12-25



12月8日、ソウルの三成洞(サムソンドン)にあるギャラリーで小さな音楽会が開かれました。コンサート会場には寒い冬の夜をロマンチックに彩るロシア歌曲が流れます。この舞台が温かく感じられる理由は美しい歌声だけではありません。このコンサートは先輩にあたる声楽家たちが、才能のある後輩をサポートするため、つまり才能寄付によって企画された音楽会なのです。

最近、韓国では才能寄付がボランティア活動のトレンドとして注目を集めています。才能寄付とは、各分野の専門家が職業上持っている知識やスキル、経験を活かして社会に貢献するボランティア活動のことで、日本ではプロボノと呼ばれています。たとえば、視覚障害者のために本を朗読する声の寄付をはじめ、インテリアや音楽、法律の相談、健康診断など、さまざまな分野で自分の才能を分かち合うボランティア活動が行われています。

韓国を代表する声楽家が集まって若手の音楽家を支援する「音楽を愛する美しい集い」も才能寄付の一つです。クラシックを専攻する韓国の音楽家はフランスやイタリア、ロシアなど海外で音楽を学び、世界大会や世界的な舞台で活動してから帰国しても韓国の舞台に立つ機会は少ないため、若手の音楽家をサポートするためのコンサートを開くことにしたのです。この小さな音楽会の舞台はコンサートホールではなく、ギャラリーでした。コンサートに才能を寄付したのは声楽家たちだけではありません。舞台となったギャラリーも、公演の企画もすべて才能寄付、プロボノによって開かれたのです。

映画界でも才能寄付、プロボノを見ることができます。11月に封切りした映画「チョルガバン、ウスさん」。主人公のウスさんは実在の人物です。孤児だった彼は、中華料理の店で配達をしながら72万ウォンの給料で5人の子どもを支えていました。去年、交通事故で亡くなった彼の人生を映画化したのは映画監督のユン・ハンニョルさん。ユン・ハンニョル監督はシナリオを書き、映画の制作に取り掛かりました。ウスさんの人生を映画化しているという話に、俳優や音楽家、映画関係者が次々と才能寄付を申し出ました。寄付天使と呼ばれたウスさんの人生は、才能寄付によって映画化されたのです。

今日は12月25日、クリスマスです。宗教は違っても、今日ばかりは世界中の人たちが温かい気持ちを分かち合うことでしょう。こんな温かい気持ちを行動に移すのがボランティアです。そして、今、韓国では誰かのために自分の才能を分かち合う才能寄付、プロボノが少しずつ実を結び、新しいボランティア文化を生み出しています。

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