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文化

韓国の食卓の新しいトレンド、菜食

2012-11-27



最近、韓国の食卓に緑の風、菜食ブームが吹き始めています。韓国の菜食家で作る団体によると、韓国人口の2パーセントがベジタリアン、つまり野菜中心の菜食をしているといいます。インドや台湾の場合、宗教的な影響もあって人口の2割が菜食主義で、イギリスは12パーセント、アメリカでは5、6パーセントの人が菜食をしているそうです。こうした国々に比べると、韓国の菜食人口はまだ少ない方だといえるでしょう。しかし、韓国人の2割が徐々に菜食に変えていきたいと答えています。

菜食専門レストランを利用する人も多くなり、現在、韓国には300店あまりがオープンしています。こうした菜食レストランでは焼き肉風の菜食プルゴギ、菜食トンカツ、焼きうどん、ベジタリアンのためのギョウザなど、さまざまな菜食メニューを開発しています。菜食を始めたばかりの人たちは、しばらくすると無性に肉料理が食べたくなるようです。そんな時は豆で作った肉、大豆肉を食べるのだそうです。大豆肉は見た目だけではなく、味も食感も牛肉そっくりです。

菜食に切り替えるきっかけになっているのはやはり健康への関心が一番でした。動物性食品、つまり肉食にはカラダに必要のない成分がたくさん含まれています。こうした成分は高血圧や糖尿病、中風など、いろいろな病気を起こします。一方、植物性食品にはカラダに必要なだけのたんぱく質が含まれ、コレステロールはありません。また、植物性食品にはカラダに必要なだけの中性脂肪も含まれているので、肥満の心配がありません。さらに、植物性食品にしかない抗酸化成分は癌の予防や老化防止、動脈硬化の予防にも役立ちます。免疫も高めてくれるので、風邪などウィルスによる病気も予防することができます。



菜食という言葉は野菜を食べるという意味ですが、人は野菜だけでは生きていけません。 体重に合わせて、穀類と果物、野菜をバランス良く摂取することが肝心です。たとえば、肥満の場合、標準体重になるまで穀類を減らし、減量したあとは野菜や果物を減らし、穀類を増やしていきます。体重が増えたら、また、穀類を減らすようにして、バランスを取りながら菜食をすれば、多くの病気を予防することができ、健康ライフを実践することができます。

菜食ブームが起こると、大学などにも菜食同好会が登場しています。菜食同好会の活動で学食に菜食コーナーが作られた大学もあります

食生活の変化は個人の健康だけではなく、食糧不足や環境問題の解決にもつながります。穀物飼料を使って1頭の動物を育てる代わりに、その穀物を食べると10人分の食糧になります。植物性食品を食べると、穀類や植物の消費を大幅に減らすことができ、結果的に食糧不足で苦しんでいる人も大きく減らすことができます。また、牛や豚などを育てるためには飼料が必要で、餌となる穀物を育てるための肥料を作る過程で大量の二酸化炭素が発生します。家畜の糞尿による畜産排水は水質汚染を引き起こしています。菜食はこうした環境の問題も解決することができるのです。

人も地球も健康になれる菜食は、今、韓国の食卓の新しいトレンドとしてゆっくりと根を下ろしています。

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