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文化

韓国の創作ミュージカルを支援するソウル・ミュージカルフェスティバル

2013-08-20



8月9日、ソウルの都心にある忠武(チュンム)アートホールで、将来のミュージカルスターを夢見る大学生たちが特別な舞台を繰り広げました。この舞台は韓国の創作ミュージカルを支援するためのイベント、ソウル・ミュージカルフェスティバルの一環として開かれたもので、アマチュアの若者たちが作ったミュージカル作品の中から優れた作品を選んで舞台で公演し、観客に鑑賞してもらう機会を提供するイェグリーン・フリンジ、創作ミュージカルの発展に寄与した作品や団体を表彰するイェグリーン・アワード、優秀な創作ミュージカルを選んで支援するためのイェグリーン・アンコール、創作ミュージカル関連のセミナーやカンファランス、大学生による舞台など、さまざまなイベントが繰り広げられています。

毎年、多くの若者が創作ミュージカルに挑戦していますが、そのほとんどは舞台で披露する機会すら与えられずに消えてしまうのが現状です。ソウル・ミュージカルフェスティバルのイェグリーン・フリンジはそんな若者たちの作品を紹介し、創作ミュージカルの基盤を広げているのです。

個人の力で新しいミュージカルを企画し、作品を発表することまではできます。
しかし、ミュージカルの公演は経済的な負担がかなり大きいため、本格的な舞台にのせるまでにはなかなか至りません。ソウル・ミュージカルフェスティバルではイェグリーン・アンコールなどのプログラムを通じて経済的な援助をはじめ、公演のための舞台の確保、作品の完成度を高めるためのプロデューサを紹介するなどの支援をしています。去年、初めて開かれたイェグリーン・アンコールの最終審査で、選ばれたのは、「女神さまが見てる」と「飛べ!パクさん」でした。この2つの作品には公演場や制作費などが支援され、どちらも成功をおさめることができました。観客にも好評で、関係者からも作品性を高く評価されました。また、ソウル・ミュージカルフェスティバルを通じて成功をおさめた作品として注目され、イェグリーン・アンコールで認められた作品は実際に舞台で公演できるという制作者の励みにもつながりました。

韓国でミュージカルが注目されるようになったのは2000年代に入ってからでした。そのきっかけを作ったのは2001年に公演されたミュージカル「オペラ座の怪人」でした。海外ライセンスミュージカル「オペラ座の怪人」は韓国の観客を魅了しました。観客はミュージカルの面白さを知り、投資する側の立場からは利益を残せるという確信を持つきっかけになりました。その後、ミュージカル市場は毎年20%以上の成長を見せています。去年、韓国のミュージカル市場は3千億ウォンあまりの規模に達し、150本のミュージカルが制作されました。このうち、創作ミュージカルが占める割合は3分の2、100本あまりでした。数の面では創作ミュージカルが多いのですが、収入、つまり、有料の客席占有率を見ると海外のライセンスミュージカルの方に軍配が上がります。創作ミュージカルは作品のクオリティや数にくらべて
売上げの面で苦戦しているのが現実です。ソウル・ミュージカルフェスティバルは苦戦している韓国の創作ミュージカルを支援するためのイベントなのです。

8日間にわたって開かれたソウル・ミュージカルフェスティバルは、これまで紹介したように、韓国のミュージカル界に活気を吹き込むとともに、韓国の創作ミュージカルが世界市場に進出するための礎にもなっています。

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