メニューへ 本文へ
Go Top

文化

身だしなみや美容に積極的な男性たち、「グルーミング族」

2014-02-18

韓国では、女性に負けないぐらい身だしなみに気を遣い、ファッションや美容に対する投資にも積極的な男性のことをグルーミング(Grooming)族と呼んでいます。グルーミング族は一部の男性ということではなく、新しいトレンドとして広がりつつあります。



男性がスキンケアや衣装、ヘアスタイルなどに気を遣うようになった背景には、多様性と個性が認められる社会的な雰囲気の変化があります。さらに、意外なことに、経済的な状況が大きく影響しているのだそうです。韓国でメンズグルーミングという言葉が登場したのは経済危機の後、2000年代に入ってからでした。厳しい環境の中で生き残るため、男性でも自らを管理しようという気持ちが強く作用しているのです。メディアの影響も無視することはできません。ドラマでも映画でも、登場するのは筋骨隆々のたくましい男性ではなく、美男子タイプ、貴公子タイプが多くなっています。メディアの影響は想像以上に大きく、女性たちはメディアが提供する男性のイメージに好感を持つようになります。こうした認識の変化が、一般の男性にまで広がり、男性がファッションや美容に関心を持つきっかけとなっています。



自己管理が競争力を高める時代、男性がファッションや美容に関心を持つのは当たり前なのかも知れません。こうしたトレンドにいち早く反応したのは化粧品市場でした。男性の化粧品市場に変化が見えはじめたのは2005、6年頃からで、この頃から化粧品会社はグルーミング族のため、日焼け止めからリンクルケア、ホワイトニングなど、いろんな機能を持った製品を開発しました。スキンケアに対する男性の関心の高さは化粧品市場の成長へとつながり、現在、韓国の男性化粧品の売上げは年間千億ウォン代に達しています。

グルーミング族の登場で、男性向けの美容製品への関心が高まると、男性向けの雑誌にも変化が見えはじめました。メンズマガジンはコラム中心だったのですが、最近は男性のファッションに焦点をあてた雑誌も多くなっています。これまでは母親や奥さん、ガールフレンドが選んでくれた服をそのまま着る男性が多かったのですが、今は、男性も自分の好みやスタイルに合わせてファッションを選ぶ時代になったのです。



グルーミング族が増えているのは、誰もが自分の魅力をアピールしたいという基本的な欲求を持っているからです。かつて、男性の魅力は男らしさにあり、たとえば、顔を洗ってもローションなんて使わない、というような姿がタフな男性に思われていた時代もありました。でも、今は違います。日頃のスキンケアを怠ると、30代半ばを過ぎてからはシワや毛穴、肌のたるみなどが目につくようになり、魅力も半減してしまいます。年を取ってからも魅力的な人でいたいという気持ちがメンズグルーミングへの関心を高めているのです。

グルーミング族の広がりが、男らしさの消滅、あるいは男性の女性化につながるという批判もあります。しかし、外見を重視する社会的な風潮と厳しい生存競争で生き残るためにもきれいな身だしなみは不可欠という考えが存在する限り、ファッションや美容に関心を持つ男性、グルーミング族はこれからも増えていくことでしょう。グルーミング族は現代社会が生み出したトレンドの一つなのです。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >