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文化

「公無渡河歌」ほか

#国楽の世界へ l 2018-03-14

国楽の世界へ

「公無渡河歌」ほか
韓国に伝わる歌の中で最も古いのは、「公無渡河歌(コンムドハガ)」という曲です。古代朝鮮時代に作られた歌です。正確な時期は分からないとしても、少なくとも2000年は昔の歌です。ある日、霍里子高(クァクリザゴ)という者は、川で不思議な光景を目にします。どんな事情なのか、ある男性が髪の毛を乱したまま、お酒の入ったひさごを持って川に飛び込んでいるのです。妻が駆けつけて止めようとしますが、男性は溺れてしまいます。そして、妻も、夫に対する歌を一曲歌っては、川の中に入ってしまいました。その光景を見ていた霍里子高は、家に帰って妻の麗玉(ヨオク)にこのことを話します。すると、麗玉も深く悲しみ、川に入ってしまった女性の歌を歌ったとのことです。この歌を聴いた人の中で、涙を流さない人はいなかったと言われるほど、とても切ない歌だったようです。今日の最初は、この曲をお楽しみいただきます。ウォンイルさん作曲の、「公無渡河歌」という曲を、KBS国楽管弦楽団の演奏と、ソプラノ、イ・テウォンさんの歌でお楽しみください。

「公無渡河歌」は、長い歳月の中でリズムは失われたものの、その内容は「琴操(きんそう)」という本に記録され、今日まで伝わります。「琴操」は中国の本ですが、琴で演奏する歌や音楽を記録した、一種の歌の本と言えます。つまり、古代朝鮮時代の歌が遠く中国まで伝わり、長い間歌われたということです。それだけ人の心に響く歌であったと推測できます。「公無渡河歌」は、箜篌という楽器で演奏して歌ったそうです。箜篌は、弦を弾いて音を出す弦楽器です。カヤグムやコムンゴよりは、西洋のハープに似た形をしています。箜篌にはいくつかの種類があったようです。新羅時代に作られたサンウォン寺というお寺の鐘には、箜篌とセンファンを演奏する姿が美しく描かれているんです。それでは、箜篌の演奏をお楽しみいただきます。「蝶になって、나비가 되어」という曲を、チョ・ボヨンさんの箜篌の演奏でお楽しみください。

昔の人々は、人間が死ぬと魂が蝶になると信じることもありました。逸話の中の、川に飛び込んだ男性と妻も蝶になったのでしょうか。箜篌は演奏法は忘れられ、楽器だけが伝わっていました。それが最近になって、チョ・ボヨンさんをはじめ、何人かのミュージシャンが楽器を直したり演奏法を工夫し、新しい音楽を披露しています。韓国の南の地方では、お花が咲き始めたという話も聞こえてきます。お花が咲く時期になると、キム・ソウォルさんの、「ツツジの花」という詩が浮かびます。切ない別れをツツジの花と一緒に描いた作品です。今日の最後は、この詩を歌にした曲をカン・クォンスンさんの歌でお楽しみいただきます。川で溺れた男女のストーリーを歌った「公無渡河歌」という曲のように、この曲も切ない別れの気持ちを込めた曲です。

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