北韓は11日、朝鮮中央放送などを通じて、金正日国防委員長による軍部の人事を発表し、国防長官に当たる人民武力部長に、朝鮮人民軍の金永春(キム・ヨンチュン)国防副委員長を任命しました。
また、軍総参謀長には李英浩(リ・ヨンホ)大将を任命しました。
新しく任命された金永春人民武力部長は、金日成軍事総合大学を卒業した後、軍部の要職を経て、1995年に軍総参謀長に就き、2007年4月に国防委員会副委員長に任命されました。
また、去年9月に北韓が迎えた政権樹立60周年の記念式典の閲兵式で演説するなど、金正日国防委員長にもっとも近い側近として知られています。
一方、軍総参謀長に任命された李英浩大将は、平壌防御司令官を務めたことがあるほかは、具体的な経歴は知られていませんが、北韓の事情に詳しい消息筋によりますと、軍部の重要な位置を占めいている人物だということです。
北韓は最近、韓国に対して韓半島西側の西海での軍事衝突も辞さないと宣言し、一方では長距離ミサイルの発射準備を進めるなど、強硬な姿勢を打ち出していますが、こうした中で軍部のトップを2人揃って交代させる人事を行ったことから、今後の北韓軍部の動向に関心が寄せられています。