中国湖北省武漢市で発生した新型のコロナウイルスによる肺炎が猛威を振るっているなか、感染者が中国全域で2800人を超え、旅行・航空業界は非常事態となっています。
中国旅行のキャンセルが相次ぎ、旅行需要が全般的に委縮する可能性があるとの懸念が出ています。
韓国で業界2位の「modetour」は27日、今月25日から31日まで海南省と香港を除いた中国本土全域の旅行商品のキャンセルと払い戻しを開始しました。
今回の措置について、国内の旅行会社は「感染への懸念」を理由として挙げていませんが、新型肺炎により中国への旅行を自制する動きが高まっているうえ、紫禁城や万里の長城など、中国の主な観光地が閉鎖され、旅行商品を正常に運営できなくなったためとの見方が出ています。
「modetour」の中国の旅行商品をキャンセルした旅行者数は、すでに4000人を超えました。
業界1位の「ハナツアー」も、今月26日に全国の代理店に対し、31日まで予定されている中国全域の旅行商品のキャンセル手数料を受け取らない方針を伝えたとされています。
旅行業界は、2月以降に総合的な状況を考慮し、中国の旅行商品の販売を再開するかについて決めるとしています。
ある旅行会社の関係者は、「テロや自然災害の場合、他の旅行地に観光客が分散されるが、感染症の場合は、旅行の需要自体が委縮する」とし、「世界中で感染者が発生すると、日本や台湾、東南アジアへの旅行の需要も減少する可能性があるため、懸念される」と話しています。
これに加え、中国政府が27日から海外への団体旅行を禁止するため、国内のインバウンド市場も委縮すると見込まれています。
26日には、忠清南道を訪問する予定だった中国からの団体観光客およそ3000人の予約がキャンセルとなりました。