世界各国が海の名称を表記する際の指針としているIHO=国際水路機関の新しいデジタル版の海図集では、これまで「日本海」とされてきた東海の表記が数字で表記されることになりました。
IHOは16日と17日にオンライン形式で開いた総会で、国際標準海図集「大洋と海の境界」の現行版「S-23」の代わりに新しいデジタル版「S-130」を導入することで暫定合意しました。
現行版の「S-23」は、1929年に発行された初版から、「東海」を「日本海」と表記してきました。
デジタル化の時代には名称より数字が地理情報を活用するうえで有効だという趣旨から、「S-130」では、すべての海に名称ではなく固有番号を与えられることになります。
政府の調査では、国際標準海図集「大洋と海の境界」にもとづいて、世界各国の地図の60%ほどが「東海」を「日本海」と表記しているとされます。
韓国政府は1997年から「日本海」と「東海」の併記を主張し、2017年からこの問題をめぐって日本や北韓と非公式の協議を行ってきました。
IHOは総会の結果を加盟国に回覧し、来月1日付で正式に発表する予定です。
韓国政府は民間団体などと協力して、「東海」表記の拡大に向けた努力をさらに強化する方針です。
一方、この問題について、日本側では、IHO総会への事務局長案では、現行版の「S-23」での「日本海」という単独表記は引き続き維持されることで暫定合意したと発表され、韓国側と主張が異なっています。