航空機の客室乗務員による宇宙放射線への被ばくを基準値以下に抑える制度が、11日から施行されました。
客室乗務員は、高い高度で業務を行うため、地上での勤務と比べて宇宙放射線に多くさらされます。担当する路線の距離が長くなれば、被ばく量も増えるということです。
原子力安全委員会は11日、客室乗務員を宇宙放射線への被ばくから守るための安全措置を強化した改正法を施行しました。
改正法には、客室乗務員が年間6ミリシーベルト以上被爆する可能性がある場合、航空会社に対して、飛行路線の変更もしくは運行回数の削減を義務付ける内容が盛り込まれています。
これに加え、航空会社は、客室乗務員の白血球や血小板の数、ヘモグロビンの量などを毎年検査するほか、宇宙放射線の安全管理のために実施した対策を原子力安全委員会に報告しなければなりません。
違反した場合、1回につき最大600万ウォンの罰金を科す条項も新設されました。
原子力安全委員会も、航空会社に対する監査を1年から3年の周期で実施することが義務付けられます。
大韓航空の客室乗務員が2018年、白血病の労働災害の申請を行ったことがきっかけで制度改善の必要性が国会で提起され、その後2021年、原子力安全委員会で宇宙放射線に関する安全管理を一元化することで一致しました。
これまで、乗務員の放射線安全基準の策定は原子力安全委員会が、航空会社の管理・監督は国土交通部が担当していました。
一方、大韓航空とアシアナ航空の客室乗務員で、白血病と無顆粒球症と診断された人は、2012年の27人から2021年には72人に増え、10年間で2.6倍に増えました。このうち労働災害として認められたのは、6人にとどまっています。