朝鮮王朝時代に日本に派遣された外交使節、朝鮮通信使の行列を再現するパレードが6日、長崎県対馬市で4年ぶりに行われました。
パレードは、対馬市が毎年8月に開く「対馬厳原港まつり」の目玉で、対馬市では、1980年から朝鮮通信使の行列を再現したパレードを行っていますが、2020年以降、新型コロナの影響で中止となっていました。
パレードでは、通信使の長と対馬藩主の役を務める韓日の代表者が先頭を歩き、韓国からの参加者70人を含むおよそ250人が通信使や武士の衣装をまとって、太鼓や笛の音を響かせながら市の中心部を練り歩きました。
沿道には市民や観光客が詰めかけ、写真を取ったり、拍手をしたりしながらパレードを楽しみました。
行進のあと、対馬博物館では、両国の代表者が友好を誓う「国書」を交換し、朝鮮通信使の長の役を務めた鄭在貞(チョン・ジェジョン)ソウル市立大学名誉教授は、「朝鮮通信使の価値を世界に発信し、未来世代に継承できるように共に努力したい」と語りました。
韓国からの参加者は、朝鮮王朝時代に通信使を乗せた木造船を復元した船に乗って今月1日に対馬入りしています。
この船は、韓国国立海洋文化財研究所が文献を参考に建造したもので、全長34.5メートルで、高さ20メートルの大きな2つの帆が特徴です。
2018年に進水し、2019年と2020年にも対馬への航海を計画していましたが、韓日関係の悪化や新型コロナウイルスの流行で中止となり、日本を訪れたのは今回が初めてです。