ことしに入って海外展開における交渉力の強化を図っている現代(ヒョンデ)自動車グループが、韓国系アメリカ人の外交官、ソン・キム氏を諮問役としてスカウトする方向で検討を進めていることがわかりました。
経済界と外交関係者が5日に明らかにしたところによりますと、現代自動車グループは、かつてアメリカ大使として韓国に駐在したこともあるソン・キム氏を諮問役として迎え入れる方向で検討を進めているということです。
アメリカ国務省で北韓問題を担当するキム氏をめぐっては、年内に引退する可能性が取り沙汰されています。
キム氏が現代自動車グループに入った場合、アメリカのインフレ抑制法やグローバルサプライチェーンの再編、中東での紛争など、急変する国際情勢への対応と関連し、助言を行う役割を担うことになるということです。
韓国系アメリカ人のキム氏は、2006年に国務省の韓国課長を務め、北韓の核問題など韓半島問題を担当しました。
オバマ政権の発足後、2008年6月に、北韓の寧辺(ヨンビョン)にある核施設の取り壊しにアメリカの代表として立ち会ったほか、同じ年の12月に北京で開かれた北韓の核問題を話し合う6か国協議ではアメリカの首席代表を務めました。
2011年11月には、韓国系アメリカ人として初めて、韓国駐在のアメリカ大使に任命されました。
国務省に戻ったあとは、対北韓政策特別代表と、韓国と日本を担当する東アジア太平洋副次官補を務めました。
直近では、2020年10月から2023年10月までインドネシア駐在のアメリカ大使を務めました。
現代自動車はインドネシアで電気自動車「アイオニック5」などを生産しています。