韓国が独自に開発した中距離地対空ミサイル「天弓(チョングン)2」がサウジアラビアに輸出されることがわかりました。「天弓2」の輸出は、UAE=アラブ首長国連邦に続き2回目です。
国防部は6日、「天弓2」を生産するLIGネクスワンとサウジアラビアの国防省が去年11月に輸出に関する契約を締結したと発表しました。
「天弓2」を10基提供する内容で、契約額は32億ドル規模だということです。
サウジアラビアでは、イエメンの反政府勢力、フーシ派によるドローンやミサイル攻撃の被害が相次いでいて、サウジアラビア政府は防空網の強化を模索していました。
「天弓2」は、2012年に国防科学研究所の主導で開発が始まり、弾道弾や航空機からの攻撃を迎撃するための中距離・中高度の地対空ミサイルです。
以前採用していたアメリカ製の「ホーク」が旧式となったことから、これを代替するために開発され、2018年から量産が行われていて、去年11月に、初めて韓国軍に導入されました。
最大射程距離は40キロで、高度40キロ以下で接近する航空機とミサイルの迎撃を行います。
1つの発射機に最大8つの誘導弾を搭載し連続で発射することが可能で、全方向をカバーするということです。
現在は、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」やパトリオットミサイル「PAC-3」とともに、北韓の弾道ミサイルに対応する、韓国のミサイル防衛システムの中核を担っています。