韓国を訪れたアメリカの国連大使が、ロシアと中国の協力がなくても、北韓に対する制裁の実施状況を監視する体制作りを進める考えを改めて表明しました。
アメリカのグリーンフィールド国連大使は17日、韓国訪問の日程を終えたあとに行われた記者会見で、「ロシアと中国が北韓を擁護して国際社会に協力しないとしても、北韓に対する制裁の実施状況を監視する体制を設ける」と改めて強調しました。
さらに、「すべての国連加盟国が、北韓による違法な武器の開発や制裁逃れと関連し、独立的かつ正確な報告を受けることが重要だ」と述べました。
大使は16日、南北軍事境界線を挟む非武装地帯を訪れ、「北韓に対する制裁の実施状況を調査する国連の専門家パネルの活動が打ち切られたあとも、北韓への制裁が履行されるよう、可能なオプションをすべて検討している」と述べ、ロシアと中国を除いた監視体制を、アメリカやヨーロッパ主導で構築する可能性を示唆しました。
また、「韓国訪問中に脱北者と面会し、北韓の深刻な人権侵害について知ることができた」としたうえで、「北韓政権は、国民経済よりも武器の開発を選び、住民たちは、拷問と暗殺の恐怖のなかで暮らしている」と批判しました。
そして、「北韓が対話を拒否することで、自ら孤立している」と指摘する一方、「アメリカは依然として、前提条件なしの対話をする準備がある」と強調しました。
今月14日に初めて韓国を訪れたグリーンフィールド大使は17日、韓国での3泊4日の日程を終え、日本に向かいます。アメリカの国連大使が韓国を訪れたのは、2016年10月以降、およそ7年6か月ぶりです。