去年、海兵隊員が殉職した事故について、特別検察官による捜査を可能にするための法案を、野党側が単独で可決させたことを受け、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、就任後10回目となる拒否権の行使を行うものと見られます。
この法案は、去年の夏に海兵隊員が殉職した事故をめぐり、政府が捜査を妨害し証拠を隠ぺいしたという疑惑が持たれているなか、去年10月に野党の主導で国会に提出されました。
法案は、2日の本会議で、法案に反対する与党の議員は欠席し、野党側の議員のみの賛成で可決しました。
法案の可決を受け、政府は、「この法案は、特別検察官の任命を『共に民主党』が行うとしていて、政治的思惑がある」として、「厳重に対応する」と述べました。
尹大統領は、就任後、与党が反対する法案を野党が単独で可決させた法案に対して、9回、拒否権を行使していて、今回も行使する可能性が高いものと見られています。
4つの世論調査会社が先月29日から4日間、全国の18歳以上の男女1000人を対象に合同で行ったアンケート調査によりますと、特別検察官による海兵隊員の殉職の真相究明に関する法案に賛成すると回答した人の割合は67%で、反対は19%でした。