資金繰りが悪化し、販売業者への代金支払いが遅れている、シンガポールの通販サイト「キューテン(Qoo10)」系列の韓国の会社、「ティモン(Tmon)」と「ウィメプ(Wemakeprice)」が、企業回生手続きを、29日、ソウル回生裁判所に申請しました。 ソウル回生裁判所は、2017年3月に発足した、倒産事件を専門に扱う裁判所です。
企業回生手続きは、日本の会社更生手続きにあたるもので、手続きに入れば、債権はすべて凍結されます。
このため、販売業者への代金の支払いは、さらに難しくなる可能性があります。
政府は、現時点で把握している未支払い代金は、2134億ウォンだが、少なくともさらに2000億ウォン以上増える可能性があるとしています。
裁判所は今後、「ティモン」と「ウィメプ」の財務状況や企業側の計画を聴取し、企業を存続させる価値があると判断されれば、債権者の同意を得て、元利金の帳消しなどの債務調整が行われます。
しかし、再建の見込みがないと判断された場合には、破産手続などに移行することになります。
業界では、「ティモン」と「ウィメプ」は、数年前から資金食い込みの状態にあり、追加の資金繰りの可能性が低いことから、回生が行われる可能性は低いとされています。
一方、被害を受けた販売業者らは、「キューテン」のク・ヨンベ代表を、詐欺などの疑いで警察に告発しました。
警察と検察は、この件で専門の捜査チームを設置して捜査に着手したほか、法務部もク代表に対して出国禁止措置をとっています。
ティモンやウィメプから販売代金を支払ってもらえず、販売業者の資金繰り悪化が懸念されていることから、政府は29日、5600億ウォンの資金を投入して対応することを決めています。