輸入車ディーラー「ドイツ・モーターズ」の株価操作事件への関与が疑われていた、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫人の金建希(キム・ゴニ)氏に対して、検察は不起訴処分としました。
ソウル中央地方検察庁は17日、金氏が資本市場法の罪にならないと結論付け、不起訴処分としました。
検察は、「金氏が株価操作に関与したかどうかを詳しく調べた結果、金氏がこの事件の主犯らと共謀したり、主犯らの株価操作の犯行を認識、または予見し、口座管理を委託したり、株式の売買注文を出したりして、犯行に加わったということが認められないと判断した」と説明しました。
この事件をめぐる捜査は、尹大統領が検察総長に就いていた2020年4月に、最大野党「共に民主党」の前身の「開かれた民主党」の告発により始まりました。
捜査チームは、中心人物の「ドイツ・モーターズ」の元会長ら9人を起訴し、このうちの7人が去年2月の1審裁判で有罪判決を言い渡されました。
続いて控訴審では、無罪を言い渡されていた残りの2人に対しても有罪判決が言い渡されました。
しかし、金氏は、2回の書面調査だけを受けたため、金氏に対しても厳しい捜査が必要だという指摘が政界を中心に出たことから、告発から4年3か月過ぎてやっと対面調査が行われましたが、それも、検事が大統領警護処の施設に出向いて行われたため、特別待遇を受けたという批判が高まっていました。
結局、不起訴となったことから、検察が4年6か月間、時間稼ぎをしたのではないかという指摘や、政界からの特別検察官の導入を求める声など、波紋が広がりそうです。