サムスン電子は、半導体部門のことし7月から9月期の営業利益が3兆9000億ウォンと、市場の予想を下回りました。
サムスン電子が31日、発表したところによりますと、ことし7月から9月期の営業利益は、去年の同じ時期に比べて3.8倍に増えて9兆2000億ウォンだったということです。
売り上げは17%伸びて80兆ウォン、純利益は73%伸びて10兆1000億ウォンでした。
このうち、半導体事業を担当するデバイスソリューション部門の営業利益は3兆9000億ウォン、売り上げは29兆2000億ウォンでした。
これに対して、競合するSKハイニックスは、同じ期間の営業利益が7兆300億ウォンと、サムスン電子を3兆ウォン以上上回りました。
市場からは、SKハイニックスがアメリカの半導体メーカー「エヌビディア」などにAI=人工知能の処理に欠かせない超高速で大容量の記憶用半導体のHBMを独占的に供給し、サムスン電子の業績を大きく上回ったという見方が出ています。
そこに、中国製品の拡大で汎用メモリーの価格が下がり、サムスン電子の業績に響いたとみられます。
一方でサムスン電子のメモリー半導体の業績自体は、それほど悪くなかったという見方もあります。
AI用の先端メモリー半導体の需要が伸び、なかでも「ギャラクシー」の販売拡大で、スマートフォンに使われるメモリー半導体の販売も堅調に伸びたということです。
ただ、1兆2000億ウォンに上るボーナスの支給などの一時的なコストや、5000億ウォン相当の為替差損が、営業利益の減少につながったとみられます。
サムスン電子は来期以降、収益性を中心とした事業の組み合わせを見直し、AI用の高付加価値製品の需要に積極的に対応する方針です。
なかでも、SKハイニックスとの技術競争の勝敗がかかっている第6世代HBMを来年下半期までに開発し、量産する計画です。