現代自動車と起亜(キア)自動車が、超高齢社会に備えて、肩の筋肉を使う作業者の疲労度を最大で60%軽減できる産業用ウェアラブルロボットを自動車工場に投入することになりました。
現代自動車と起亜自動車は27日、自社が開発した「X-bleShoulder」と名付けた産業用ウェアラブルロボットを公開しました。
作業現場で上を向いて、腕を上げ続ける作業で、肩の関節の負担を最大で60%軽減し、作業者が同じ動作を繰り返すことで首や肩の痛みなどが発生する筋骨格系疾患にかかるリスクを減らします。
電力なしでも肩の関節の曲げ伸ばしの角度を180度まで可能にし、さまざまな作業環境にも対応します。
重さはおよそ1.9キロと比較的軽く、作業者の体に合わせてサイズを選ぶことができ、機械本体を取り外せば、洗濯も可能です。
現代自動車と起亜自動車は、開発した背景について、「生産性の向上も大事だが、製造業に携わる労働者の平均年齢が年々上昇し、ことしは平均43歳と、労働者の高齢化により、作業に関連した筋骨格系障害を訴える人が増えている。労働者の健康問題を解決するために製品開発に乗り出した」と説明しています。
まず、このロボットを自社の生産部門に投入したあと、来年からは系列会社に、そして、建設、造船、航空、農業などの分野に販売先を広げていく方針です。
2026年からはアメリカ、ヨーロッパ市場への参入も目指します。
現代自動車と起亜自動車は、腰をアシストする産業用ウェアラブルロボット、移動が困難な交通弱者のリハビリ向けの医療用ウェアラブルロボットも開発中です。