尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「非常戒厳」をめぐる内乱容疑と尹大統領の妻、金建希(キム・ゴニ)夫人の株価操作疑惑を政府から独立した特別検察官に捜査させるための法案をめぐって、大統領の権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理が閣議に上程しないと決めたことを受けて、最大野党「共に民主党」は韓国務総理に対する弾劾の手続きに入ると明らかにしました。
韓国務総理は、24日午前に開かれた閣議で、「どうすれば国民の大多数が納得するのか、与野党が交渉することから始めなければならない」として、閣議に特別検察法案を上程しませんでした。
これは、尹大統領夫妻に対する特別検察法案に対して、再議要求権、いわゆる「拒否権」を行使する考えを示したものと見られています。
これを受けて「共に民主党」の朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は、24日に開かれた院内代表会議で「韓国務総理に対する弾劾の手続きをただちに開始する」と述べました。
これより前、野党の「共に民主党」は、韓国務総理に対し、24日までに尹大統領夫妻に対する特別検察法案を公布しない場合、弾劾の手続きに入ると警告していました。
この尹大統領夫妻に対する特別検察法案は12日に、国会本会議で在席議員299人のうち、いずれも賛成195人で可決となり、17日、政府に送られました。
賛成票には、与党議員の票も含まれています。
国会を通過し政府に送られた法案は、大統領権限代行者が15日以内に閣議で公布するか、拒否権を行使しなければならず、今回の尹大統領夫妻に対する特別検察法案は、来年の元日が期限となります。このため、政府は今月31日までに判断を下すものとみられています。
ただ、韓国務総理が特別検察法案に対する拒否権を行使する可能性が高いとみられているため、野党は今後、弾劾のプレッシャーを強めていくだろうという見方が出ています。