南東部・釜山(プサン)市の金海(キメ)国際空港で28日の夜に発生した旅客機の火災について、手荷物用の棚から煙が出ていたという乗客や乗員の話が伝えられていて、モバイルバッテリーが火元の可能性が出ています。
28日の夜、香港に向けて離陸の準備をしていたLCC=格安航空会社「エアプサン」のエアバスA321型機で発生した火災は、後方座席の手荷物用の棚が火元とみられるという乗客と乗員の目撃証言が相次いでいるということです。
この航空機に乗っていた乗客は、「手荷物用の棚から『パチッ』と火花が散るような音がしたあと、煙が出た。モバイルバッテリーや電子機器が火元ではないだろうか」と話しています。
現在、出火原因については、韓国国土交通部が現地調査を行っています。
エアプサンの旅客機では、先月もモバイルバッテリーによる火災が発生したとされていますが、当時は乗員が消火器で速やかに火を消し、大きな火災にはつながらなかったということです。
このほかにも、モバイルバッテリーによる航空機の火災は国内外で後を絶たず、事故を未然に防止するため「機内持ち込みルール」を強化すべきだとする声が出ています。
一方、事故当時の対応をめぐって、乗客側は「乗員が早く火を消したり、非常口を開いて乗客を避難させたりせず、とても不安だった」と話しているのに対し、エアプサン側は、「機長と乗員がさらなる被害につながらないようただちに措置を取ったため、乗客全員を安全に避難させることができた」と話していて、双方の主張が食い違うことから議論となりそうです。
今回の事故に先立ち、韓国では去年12月29日、南西部・務安(ムアン)国際空港で済州(チェジュ)航空の旅客機が滑走路外の外壁に激突し、炎上する事故が発生して179人が死亡していて、乗り物に対する警戒心が強まっています。