アメリカのトランプ大統領が、アメリカに輸入される鉄鋼製品とアルミニウムに25%の関税を課すと表明したことに対し、大統領の権限を代行する崔相穆(チェ・サンモク)副総理兼企画財政部長官は、高官級の使節団をアメリカに派遣し、アメリカ側と協議すると明らかにしました。
崔副総理は11日、会議を開き、トランプ政権の鉄鋼製品とアルミニウムへの関税措置に対する対応策を発表しました。
崔副総理は、「アメリカの鉄鋼製品に対する関税措置が発動される3月12日まで時間が残っているため、対米チャンネルをすべて活用するとともに、高官級の使節団をアメリカに派遣し、アメリカ側と協議していく」と述べました。
そのうえで、「似た状況にある日本やEU=ヨーロッパ連合などの動向を把握し、必要に応じて関係国と協議することも検討していく」と述べました。
また、これまで維持されてきた韓国の鉄鋼の輸出量を制限して関税をなくす「鉄鋼クォーター制の廃止に伴う対米輸出における韓国企業の競争力を分析するなど対応戦略を模索する」としたうえで、「アメリカ現地の公館やシンクタンクを通じて、アメリカ国内の関連企業の動向をリアルタイムで確認し、韓国企業と協力チャンネルを拡大していく」と述べました。
ただ、崔副総理は、アメリカが貿易黒字になっているオーストラリアを除くすべての国に今回の関税措置が適応されるため、平等な競争条件が整ったとしました。
崔副総理は、「韓国企業の収益性が悪化することが懸念される一方で、等しい競争条件がチャンスになり得る」としたうえで、「業界と意思疎通し、鉄鋼業界の競争力を強化するとともに、被害を受ける企業への支援策を設ける」と述べました。
日本や中国など競争国と、同じ条件で貿易競争を繰り広げられるため、製品の競争力を強化すれば勝算があるということです。
また、崔副総理は、「アメリカ、中国など主要国の通商政策の変化に対応できる防御機能を強化するため、韓国産業通商資源部傘下の貿易委員会の組織を拡大するなど対応能力を強化していく」と述べました。