日本の植民地時代の独立運動家、尹奉吉(ユン・ボンギル)の追悼館の建設が進められている石川県金沢市で、右翼団体に所属するとみられる日本人男性が、在日コリアンらがつくる「在日本大韓民国民団」のオフィスがある建物の壁に車で突っ込む事件が発生しました。
在日本大韓民国民団や現地の報道によりますと、2日午前9時ごろ、50代の日本人男性が運転する軽自動車が民団の建物の壁に突っ込みました。
建物の一部が壊れたものの、人命に被害はありませんでした。
男は犯行を認めていて、動機について「追悼館の建設に抗議するために行った」と供述しているということです。
日本の複数の右翼団体は、ことし4月に金沢市に完成することが発表された尹奉吉の追悼館の開館に反発し、民団の石川県地方本部の周辺でデモを行っています。
金沢市は尹奉吉が銃殺された土地で、韓国の民間団体「尹奉吉義士追悼事業会」は、在日コリアンの篤志家の支援を受け、4月末に追悼館を開館する予定です。
2021年7月にも、民団の愛知県地方本部の建物をねらった放火事件が起こったほか、同じ年の12月には、民団などが入居している東大阪市の韓国会館にハンマーが投げ込まれる事件が発生し、在日コリアン社会に衝撃を与えました。