「非常戒厳」を宣言した韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾審判の最終宣告が迫っているなか、尹大統領の支持者らが憲法裁判所の前で弾劾に反対するデモを行っています。一部は、丸刈りや断食を行うなどデモがエスカレートしています。
尹大統領の弾劾に反対するために結成された「大統領国民弁護人団」などは10日、ソウル市の憲法裁判所の前で相次いで記者会見を開きました。
10日午前11時40分ごろには、弾劾に反対する一般市民のキ・ソンギョン氏が頭を丸めたあと、憲法裁判所に対して、「しっかりしろ」としたうえで、「国を正しく立て直してほしい」と訴えました。
現場を取り囲んだ100人あまりの支持者らは、「却下しろ、詐欺弾劾だ」と声を上げました。
憲法裁判所から200メートルあまり離れた安国(アングク)駅でも、弾劾に反対するデモが開かれました。
警察によりますと、10日に弾劾に反対するデモに参加した人の数は、300人から400人あまりだということです。
安国駅の近くでは、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の弾劾審判の宣告が出された2017年3月10日に亡くなったデモの参加者の追悼式も開かれました。
当時、朴元大統領の弾劾が決定したことを受け、極度に興奮した朴氏の支持者らが警察のバスを奪い取るなどの混乱が発生し、4人が亡くなりました。