アメリカのトランプ政権が来月2日に相手国と同じ水準の関税を課す「相互関税」を発表する方針を示しているなか、トランプ政権の中心的な当局者が、アメリカの貿易赤字が大きくなっている代表的な貿易相手国として韓国を挙げ、非関税障壁などの撤廃を求めました。
ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長は17日、アメリカのCNBCとのインタビューで、「ヨーロッパと中国、韓国に対する貿易赤字がこの数年間、続いている。これらの国は、非関税障壁や関税率が高く、アメリカの企業が競争しにくい」と指摘しました。
また、ハセット委員長は、「対米貿易黒字の国々が、ただちにすべての障壁を引き下げれば、交渉は終わるだろう」とし、関税引き上げをテコに新たな貿易交渉に乗り出す構えを示しました。
韓米両国は、FTA=自由貿易協定により、すでに多くの品目で関税を撤廃していて、韓国政府はこれを理由に、アメリカ側に相互関税を課さないよう求めていますが、アメリカがこれを受け入れる可能性は低いとみられています。
ハセット委員長の発言は、生後30か月以上の牛肉の輸入を禁じてきた韓国のアメリカ産農産物への規制や非関税障壁をすべて撤廃することを求めたものとみられます。
韓国の対米貿易の黒字額は去年、557億ドルで、アメリカにとって韓国は貿易赤字が8番目に大きい貿易相手国です。