全世界の国と地域を対象とするアメリカの「相互関税」の発動まで1週間を控え、現代(ヒョンデ)自動車グループは今後4年間、アメリカに210億ドルを投資して主な生産拠点を建設すると発表しました。これに対して、トランプ大統領は「現代自動車は、関税を払う必要がなくなる」と述べ、関税措置の効果を強調しました。
現代自動車の鄭義宣(チョン・ウィソン)会長は現地時間の24日、アメリカ・ホワイトハウスで開かれた行事に参加し、2028年までの4年間、アメリカで210億ドル規模の追加投資を発表しました。
投資の内訳は自動車が86億ドル、鉄鋼や物流などが61億ドル、未来産業とエネルギー分野が63億ドルとなっています。
とくに、鄭会長は、ルイジアナ州に製鉄所を設立し、アメリカ現地でのサプライチェーンを強化するとしたうえで、ジョージア州に新たな自動車工場を建設する計画も発表しました。
韓国企業のうち、第2次トランプ政権発足後、アメリカに対する大規模な投資計画を発表したのは、現代自動車が初めてです。
現代自動車は、これまで人件費と設備投資が安価なメキシコなどに生産拠点を置き、そこで製造した製品を北米市場で販売してきましたが、トランプ大統領がメキシコにも関税を課す方針を発表したことを受け、アメリカ現地で直接、生産することに決めました。
現代自動車の去年第4四半期のグローバル売上のうち、北米市場が占める割合は32.7%と大きく、北米の重要度を踏まえたうえでの決断とみられます。
これを受けてトランプ大統領は、「現代自動車はアメリカで鉄鋼と自動車を生産する計画なので、関税を払う必要がない」として、「この投資は関税が役割を果たしていることを示している」と関税措置の効果を強調しました。
一方、アメリカは予告通り、全世界の国と地域に対し、4月2日から相互関税を発動する計画です。
トランプ大統領が、「関税を避けたければアメリカで生産すればいい」と主張しているだけに、各国の輸出企業の対アメリカ投資の発表が続く見通しです。