最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が公職選挙法違反の罪に問われた裁判で無罪を言い渡されたことで、現在進行中のほかの5つの裁判の結果に関心が集まっています。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾裁判の結果次第で、次の大統領選挙が早期に行われる可能性があるなか、ソウル高等裁判所は26日、李代表の公職選挙法上の虚偽事実公表の疑いについて、1審判決を覆して無罪を言い渡しました。
これに対して検察は、これを不服として上告するとしていて、この裁判の最終的な結論は、最高裁判所にあたる韓国の大法院に委ねられそうです。
公職選挙法では、裁判の1審は、起訴から6か月以内に、2審と3審は起訴からそれぞれ3か月以内に行わなければならないと定めています。
強制的に適用する規定ではありませんが、大法院長が、公職選挙法をめぐる裁判は期限を守るべきだと強調しているだけに、李代表をめぐる裁判の最終的な結論も6月末には出る可能性が高いとされています。
尹大統領の弾劾裁判の宣告は、憲法裁判官2人が退任する来月18日までに行われる見通しですが、そこで尹大統領の罷免が妥当とする判断が示されれば、60日以内に大統領選挙が行われることになり、それまでに李代表の公職選挙法違反をめぐる裁判の結論が出るのは難しいとされています。
李代表はこのほかにも、ソウル郊外の城南(ソンナム)市長時代の2018年に、秘書にうその証言をさせたとして偽証教唆の罪に問わている裁判や、3つの都市開発事業に絡む背任罪などに問われている裁判など、合わせて5つの裁判が進められています。
このうち、偽証教唆の罪に問われている裁判は、去年1審で無罪判決が言い渡され、現在控訴審が進められています。
仮に早期に大統領選挙が行われ、本格的に選挙運動が始まれば、李代表は、出廷しない意向を示し、裁判が延期される可能性が高いとされています。
また、大統領選挙で勝利した場合、すでに進められていた裁判を続けるべきかどうかについて議論が持ち上がることも予想されます。
現職の大統領は、内乱や外患の罪を除く犯罪については訴追されない不訴追特権を持ちますが、大統領に当選する前に進められていた裁判を中止すべきかどうかについては明文化された規定がないためです。