アメリカのトランプ政権は、韓国がアメリカよりも4倍高い関税をアメリカに課していると主張しましたが、韓国政府はこれを否定しています。
アメリカの政府高官は現地時間2日、関税政策に関する記者会見で、「他国がアメリカよりも2倍から4倍高い最恵国待遇(MFN)関税を課している」と指摘しました。
この高官は「アメリカの最恵国待遇関税は3.5%だが、インドは15%、韓国は13%、ベトナムはほぼ10%だが、さらに大きな問題は非関税障壁だ」としたうえで、「これらの国々は牛肉、豚肉、鶏肉など、アメリカの多くの農産物を全面的に禁止している」と述べました。
しかし、韓国の関税がアメリカよりも高い13%であるという主張は、事実とは大きく異なります。
韓国がWTO=世界貿易機関の加盟国に適用している最恵国待遇関税は平均で13.4%ですが、アメリカとはFTA=自由貿易協定を締結しているため、この最恵国待遇関税を適用していません。
韓国産業通商資源部によりますと、韓国は2007年にアメリカとFTAを締結し、ほとんどの品目を無関税で取引しています。韓国がアメリカから輸入する製品に課している平均関税率は、去年は、0.79%でした。
産業通商資源部の安徳根(アン・ドクグン)長官がアメリカを訪問した際に、こうした内容をハワード・ラトニック商務長官らに説明しましたが、トランプ政権は認識を変えませんでした。
一方、鉄鋼やアルミニウム、自動車など、すでに別の関税が課せられている品目については、追加の相互関税は課されないということです。
ホワイトハウスは、関税を適用すると予告していた銅や医薬品、半導体、木材についても相互関税は適用しないと明らかにしました。
トランプ大統領が関税強化措置を発表したあと、追加交渉の可能性を示唆しているため、交渉を有利に進めるために高い関税率を提示したとの見方もあります。
現在の関税率は一種の上限で、今後の交渉次第で大幅に引き下げられる可能性があるということです。