セウォル号沈没事故からちょうど11年となった16日。全国各地では犠牲者を追悼する行事が行われる予定です。
セウォル号沈没事故は、乗客443人と乗員33人を乗せて2014年4月15日、仁川(インチョン)港から済州(チェジュ)港に向けて出発したフェリーの「セウォル号」が、翌16日の午前10時17分ごろ、全羅南道(チョンラナムド)珍島(チンド)沖で転覆した事故です。
この事故で、修学旅行中だったソウル近郊の安山(アンサン)市の檀園(タンウォン)高校の生徒や教員を含む304人が犠牲となりました。
セウォル号事故を風化させないための活動や犠牲者の追悼などに取り組む「4.16財団」は16日、安山市にあるファラン遊園地で追悼行事を行います。
会場では、映像の上映やミュージカル、合唱の公演が行われ、午後4時16分には、檀園区庁の周辺に黙祷を呼びかけるサイレンが放送され、市民がともに祈りを捧げることになります。
この行事には、遺族や市民およそ2000人が参加するほか、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)氏をはじめ、大統領選への立候補を表明している候補者らも参加し、犠牲者を追悼します。
また、ソウル都心の中区に設けられた「セウォル号記憶空間」や、事故現場に近い珍島のペンモク港にある「セウォル号記憶館」でも午後1時からそれぞれ追悼式が行われ、地元住民や遺族が犠牲者を悼みます。
全国各地には、犠牲者を追悼する象徴の「黄色いリボン」が飾られたり、黄色いリボンをつけた人々で溢れました。
この「黄色いリボン」は、行方不明者の無事を願う希望の象徴として始まりましたが、いまでは304人の犠牲者を追悼する象徴として定着しています。