最近、ソウル市内で地面が突然陥没する陥没事故が相次いでいますが、その主な原因とされる「下水道管」のおよそ30%が、50年以上経過して非常に老朽化したものであることがわかりました。
ソウル市が国会に提出した資料によりますと、おととしの時点で、ソウル市内の下水道管の総延長は、およそ1万800キロメートルで、そのうち、50年以上経過した区間は全体の30%、30年以上経過した区間は56%に上るということです。
なかでも、ソウル都心の鍾路(チョンノ)区では、下水道管の半数以上が50年を超えていて、老朽化の進み方が深刻だということです。
通常、経過年数が30年を超えると「老朽化した水道管」と分類されます。
地域別に見ますと、50年以上経過した下水道管の割合は、鍾路区が54%ともっとも高く、龍山(ヨンサン)区、城北(ソンブク)区、永登浦(ヨンドゥンポ)区なども40〜50%台と、老朽化した水道管の早急な交換が求められています。
下水道管は、地下に埋設された排水設備で、時間の経過とともにひび割れや穴が生じやすくなります。
この隙間から水が漏れ出すと、土砂が流出し空洞ができ、地面が陥没することにつながります。
韓国国土交通部の資料によりますと、この5年間に全国で発生した700件近い地盤沈下のうち、下水管の損傷が原因とされるものはおよそ45%を占め、もっとも多くなっています。
ソウル市は、災害管理基金などを投じて老朽化した下水管の交換作業を早急に行うとしていますが、費用が膨大すぎて、予算面での課題が大きいとされています。
現在、ソウル市が年間2000億ウォンを投じて、総延長およそ1万800キロメートルのうち、わずか100キロほどしか整備できておらず、急速に進む老朽化には追いつけないという懸念の声が出ています。