ローマ教皇庁で韓国人として初めて聖職者省長官を務める兪興植(ユ・フンシク)枢機卿が、イタリア有力紙が発表した次期教皇の有力候補に挙がり、これまで、韓半島の平和に貢献してきた兪枢機卿の取り組みと国際社会での活動が注目を集めています。
イタリアの有力紙、コリエレ・デラ・セラは22日、フランシスコ教皇の後任を決める教皇選挙(コンクラーベ)を控え、12人の有力候補を発表しました。
兪枢機卿は、同じアジア出身のルイス・アントニオ・タグレ枢機卿に続いて11番目に名前を挙げられました。
イタリアの有力紙は、兪枢機卿について、「韓国と北韓の和解を目指したフォコラーレ運動に参加したメンバー」と説明しました。
フォコラーレ運動は、第二次世界大戦中にイタリアのカトリック教会の中で生まれたもので、対話を通じて、世界の平和をめざした国際運動です。
兪枢機卿は、韓国中部の忠清南道(チュンチョンナムド)論山(ノンサン)生まれで、1979年、ローマで司祭に任命され、教義神学の博士号を取得しました。
また、イタリアの有力紙は、兪枢機卿が北韓を4回訪問し、南北の交流に努めた人物だと紹介しました。
兪枢機卿は、2021年にローマ教皇庁聖職者省の長官に任命され、韓国人としては初めてローマ教皇庁の要職に就き、2022年には枢機卿に任命されました。
ことし73歳の兪枢機卿は、優れた業務能力や気さくさと決断力のあるリーダーシップで、ローマ教皇庁でも高い信頼を得ていて、次期教皇の投票権と被選挙権を獲得しています。
一方、フランシスコ教皇の死去を哀悼するための場所が、ソウルの明洞(ミョンドン)大聖堂と駐韓ローマ教皇庁大使館に設けられ、各地から弔問客が訪れています。
廉洙政(ヨム・スジョン)枢機卿をはじめとする韓国の弔問団は、今月26日、バチカンの葬儀ミサに出席する予定です。