中国当局が韓国の文化コンテンツの流通を制限する「限韓令」を実施して以降初めて、中国で韓国歌手が公演を行ったのに続いて、中国の地方政府がK-POPアイドルグループのコンサートの開催を許可し、「限韓令」の解除への期待が高まっています。
中国政府は、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓国配備に対する報復措置として、2016年からK-POPや韓国ドラマ、映画など韓流文化の流入を制限する「限韓令」を実施してきました。
中国南東部の福建省福州市の文化観光局は今月25日、韓国の8人組男性アイドルグループ「EPEX(イーペックス)」が来月31日に現地で開く予定の「2025 EPEX 3rd コンサート 青春欠乏 in 福州」の開催を正式に許可しました。
すでに、今月12日には、韓国の3人組のヒップホップグループ「HOMIES」が、中国中部の湖北省武漢でコンサートを開いていて、同じ日には、韓国の済州道(チェジュド)と中国の海南省の姉妹提携30周年を記念するイベントが海南省で開かれ、韓国のトロット歌手のユン・スヒョンさんが、歌を披露しています。
「HOMIES」とユン・スヒョンさんの公演は、文化交流イベントの一環として行われた非商業的なものでしたが、今度の「EPEX」は、商業コンサートとして正式に許可されたことから、「限韓令」の解除への期待感が高まっています。
「限韓令」が出されて以降、韓国のアーティストの中国での公演やテレビ出演、映画・ドラマ・バラエティ番組など、さまざまな韓国文化コンテンツの中国への流入が制限されてきました。
しかし、アメリカのトランプ政権の発足を受けて、中国当局は、韓国や日本など近隣諸国との関係改善に乗り出していて、風向きが変わりつつあります。