尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領夫妻とその側近とされる全成培(チョン・ソンベ)容疑者との癒着疑惑をめぐって、検察は30日午前、ソウル市内にある尹前大統領の私邸に対して家宅捜索に着手しました。
検察は、全容疑者が尹前大統領夫妻との親交を利用し、第三者から請託を受けて見返りを受け取ったとみて、不正請託禁止法違反の疑いで捜査が進めていました。
家宅捜索が行われたのは、ソウル瑞草(ソチョ)洞にある尹前大統領の私邸で、大統領在任中に使用していた大統領公邸とは異なり、刑事訴訟法上「軍事または職務上の秘密がある場所」には該当しないことから、家宅捜索が実現しました。
尹前大統領の私邸に対して家宅捜索が行われたのは、今回が初めてです。
検察は、全容疑者が、旧統一教会=世界平和統一家庭連合の元幹部から、金建希(キム・ゴニ)夫人への贈り物として数千万ウォン相当のダイヤモンドのネックレスを受け取ったとする状況を確認しているとされています。
また、検察は元幹部が旧統一教会のカンボジア事業に関連し、政府開発援助事業の支援を受けるため、全容疑者を介して尹前大統領夫妻に便宜を図るよう依頼したという疑惑も抱いています。
全成培容疑者は、政界との裏の繋がりが取り沙汰された人物で、このほかにも、2022年の国会議員総選挙や大統領室の人事などに関与したり、与党「国民の力」の関係者にも様々なルートで請託を行った疑惑がもたれています。