生成AI=人工知能でニセの動画などを作る、いわゆる「ディープフェイク」と呼ばれる画像合成技術で仮想の女性を作り、障害者の男性を含む100人以上から総額およそ120億ウォン、日本円で約13億円をだまし取った詐欺グループが警察に捕まりました。
KBSが1日に報じたところによりますと、蔚山(ウルサン)警察庁は、ディープフェイク技術を用いて架空の女性を作り出し、恋愛関係を装って投資を持ちかけていた詐欺グループの組織員45人のうち、10人を逮捕し、首謀者の夫婦については、カンボジアからの身柄送還を進めているということです。
画像合成技術で作られたこの仮想の女性は、アプリを通じて出会った男性たちに、ソウルの富裕層が住む江南(カンナム)にマンションを所有する30代だと名乗り、毎日のビデオチャットを通じて親密な関係を築き、ファンドマネージャーを紹介して投資を勧めました。
実在する投資会社を装った偽サイトでは、口座の開設や収益の確認も可能だったということで、被害者の中には数千万ウォンから8億ウォンを送金したケースもあるということです。
詐欺グループはカンボジアに拠点を構え、100人以上のスタッフを動員し、被害者とやり取りするための10日分のシナリオを事前に用意していました。
警察によりますと、グループは昨年3月から今年2月にかけて、詐取した投資金を仮想通貨や商品券に換えるなどして現金化していたということです。
今回の事件は、ディープフェイク技術に恋愛詐欺と金融詐欺を組み合わせた韓国初の事例で、巧妙さと組織の規模においても前例のないレベルだということです。
従来のディープフェイク犯罪は、主に芸能人の顔を合成した映像や有名人を装うものに限られていましたが、今回のように実際の恋愛関係を装って投資まで誘導したのは初めてです。